緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー

問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

先日、76歳の母親の遺体を室内に遺棄したとして49歳の男性が逮捕されました。

この男性は、「小学生のころから会話をしなくなった」(NHKが警察が家族を事情聴取した内容として報道)、「小学生のころから会話をしなくなり、最近はひきこもっていた。母親が買い物などをして面倒をみていた」(NHKが警察が妹を事情聴取した内容として報道)、「自宅に引きこもって他人と会話がほとんどできない状態」(日本経済新聞が警察署の話として報道)、「長年引きこもりの状態で、他人とほとんど会話ができず」「およそ40年間にわたって自宅に引きこもり、他人とほとんど会話ができない状態」(FNNjpプライムオンライン)、「小学生のころから長女とも会話をしなくなり引きこもりの状態」「警察がなぜ通報しなかったのかと尋ねたところ、『他人と話すのが怖かった』と話している」(TBS NEWS)などと、会話に困難を抱える引きこもりの方だったようです。各種報道によると、彼は警察の取り調べに筆談で応じているとのこと。事件が発覚したのは、長女の妹が部屋を訪ねたためでした。

この遺体遺棄容疑で逮捕された引きこもり男性のニュースは日本以外にも台湾で『40年不出家門!日宅男失語 竟伴母屍生活近半月』(聯合新聞網)、『40年沒出過家門!媽媽老死...49歲日本宅男竟伴屍度日』(ETtoday新聞雲)と取り上げられていました。しかし、いずれも、少なくとも私が確認した限りでは、場面緘黙症に触れた記事は1つもありませんでした。

なお、聯合新聞網は、台湾の4大新聞紙の1つ、聯合報の公式サイトです。ETtoday新聞雲は台湾で最大のニュースサイトです。

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東京成徳大学・東京成徳短期大学応用心理学部臨床心理学科の江口めぐみ准教授が著者の選択性緘黙(場面緘黙)に関する研究論文の抄録が公開されました。この記事では、その研究の概要をご紹介しましょう。

なお、江口准教授は立正大学心理学部助教の時期に『選択性緘黙児童生徒の多様な状態像の解明と個に応じた支援方法の検討』という研究課題で、園山繁樹教授(筑波大学)、濱口佳和教授(筑波大学)、下山真衣助教(信州大学)、松下浩之准教授(山梨大学)、酒井貴庸講師(甲南女子大学)、関口雄一講師(山形大学)とともに科研費を使った緘黙研究を進めていくことになっていました。しかし、現在は立正大学から東京成徳大学・東京成徳短期大学に移籍されたとのこと。この移籍が緘黙研究に与える影響については、部外者である私には分かりません。また、今回ご紹介する研究が、科研費を受けた研究と関係があるのかどうかも私には分かりません。ただ、もし関係があるとすれば、いずれ科研費の「研究成果」欄に記載されるはずです。また、論文に「本研究は科研費により云々」との文句がでてくる可能性もあります。

↓クリックすると、科学研究費補助金データベースのページに飛びます。
選択性緘黙児童生徒の多様な状態像の解明と個に応じた支援方法の検討(URLはhttps://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-16H03808/16H038082016jisseki/)

江口めぐみ(2018). 大学生における選択性緘黙への認識に関する調査 立正大学臨床心理学研究 16, 31-39.
英語表記:Eguchi, M. (2018). Survey on University Student’s Attitudes toward Selective Mutism. Bulletin of Psychological Clinic, Rissho University, 16, 31-39.

〇問題意識
選択性緘黙の人の周囲の人達の緘黙に対する認識や関わりについて検討が不足している

〇研究目的
大学生の選択性緘黙への認識について検討すること

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興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、論文アブストラクト(抄録)だけ読んだ不安(障害)・恐怖に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが最新の研究成果です。

なぜ不安(障害)・恐怖なのかというと、場面緘黙(選択性緘黙)児は不安が高いか、もしくは不安障害(不安症)を併存していることが多いという知見があるからです。さらに、米国精神医学会(APA)が発行するDSM-5では場面緘黙症が不安障害になりました。

今回は、周産期~産後の母親の不安は子供の発達遅延のリスクとなるという研究です。

なお、不安(障害)・恐怖以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

最近の記事1⇒睡眠問題が重い人はお金より睡眠に関する質問に答えることを優先する
最近の記事2⇒非倫理的行動は2人の社会的絆を強める手段となる
↑記事1はタイトルだけだと誤解されかねませんが、「睡眠問題が重い人はお金に関する質問より睡眠に関する質問に答えることを優先する」という意味ではなく、「睡眠問題が重い人は金銭獲得よりも睡眠に関する質問に答えることを優先する」という意味です。タイトルを短くしたいためあえて誤解を招く表現にしました。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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