2012年10月 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

認知行動療法(CBT:Cognitive Behavioural Therapy)が不安障害に効くというエビデンスがあったとしても、それがどのようなメカニズムによるものなのか、疑問が残ります。今回は子どもを対象にしたCBTが成功した場合、注意バイアスも同時に変化するという研究です。著者によれば、大人ではこの種の研究がわりと古くからあるのですが、子どもに関する文献は少ないそうです。

Legerstee, J. S., Tulen, J. H., Dierckx, B., Treffers, P. D., Verhulst, F. C., & Utens, E. M. (2010). CBT for childhood anxiety disorders: differential changes in selective attention between treatment responders and non-responders. Journal of Child Psychology and Psychiatry, 51, 162-72.

★概要

様々な不安障害を抱える子ども(平均年齢11歳)が参加しています。不安障害には特定恐怖症や社会(社交)不安障害、分離不安障害、全般性不安障害、パニック障害が含まれます。

第一段階として子ども中心の認知行動療法(CBT)を実施し、それでも改善しなかった場合だけ親も積極的に関与する第二段階のCBTを試みています。

結果、治療に成功した子どもは脅威度が高い絵(例:銃)に対する注意バイアス(dot-probe課題で評価)が減少しました。なお、脅威度が低い絵(例:墓地)に対する注意バイアスと治療成果には関連はなく、治療に失敗した子どもでは治療の前後どちらでも注意バイアスがありませんでした。

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『精神疾患の行動遺伝学―何が遺伝するのか』という本を読みました。行動遺伝学の知識が浅い私にとって興味深い話が多かったです。というわけで(場面)緘黙を行動遺伝学的に考えます。もちろん思弁的なもので実証的な裏付けはほとんどありません。

1.緘黙はどの程度遺伝の影響を受けるか?

精神疾患の遺伝子を探す試みは多いですが、実際には結果が再現されないことがあります。そのため、双生児法など行動遺伝学的手法を駆使してあらかじめ遺伝の影響度を推定することが重要です。緘黙でも双生児が見つかっているようですが、残念ながら緘黙に対する遺伝と環境の影響度を具体的に何%と推定した研究はありません。

2.緘黙の発症と維持には同じ遺伝要因、環境要因が働くのか?

遺伝や環境の影響度を推定できたとしても、それがどのようなメカニズムによるのかは不明です。その際、緘黙の発症と維持に同じ因子が影響するという仮定の妥当性が問題となります。たとえば、緘黙発症初期よりも症状が固定化している時期の方が環境の影響(特に非共有環境)が大きければ、緘黙の持続には学習が関わっていると推測することができます。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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