2013年04月 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

どうやら社会不安障害の人は扁桃体だけでなく、もっと広範な神経ネットワークに異常が認められるようです。そのことを「脳コミュニケーションの誤り(mis-communication)」による障害と記載した論文を読みました。

以下、論文に即して社会恐怖症(Social Phobia)と言う言葉を使いますが、私は社会不安障害(Social Anxiety Disorder:SAD)や社交不安障害(SAD)と同義であると理解しています。

Danti, S., Ricciardi, E., Gentili, C., Gobbini, M. I., Pietrini, P., & Guazzelli, M. (2010). Is Social Phobia a “mis-communication” disorder? Brain functional connectivity during face perception differs between patients with Social Phobia and healthy control subjects. Frontiers in Systems Neuroscience , 4:152. doi:10.3389/fnsys.2010.00152

★概要(今回は難しいですよ)

以前公刊された研究データを再分析した論文です。

社会恐怖症患者8人と健常者7人が参加しました。

呈示された顔の人物が1つ前に見た顔と同じかどうか判断させる課題を行いました。表情は怒り・恐怖・嫌悪・幸福・無表情のいずれかでした。

統制課題は無意味写真を用いました。

刺激呈示時間は2000ミリ秒でした。刺激呈示の合間に1500ミリ秒の応答時間が与えられました。

以下、結果を詳述しますが、その前に予備知識を仕入れておきましょう。

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これまで経験したことのない刺激に対して、不安を抱く行動抑制(behavioral inhibition by Jerome Kagan)。乳幼児期に抑制傾向が強いと、将来社交不安障害やうつ病になるリスクが高くなるといわれています。

一方、普通の子どもたちでも怒りの表情に注意を向け続けると不安が高まるとの報告(Eldar et al., 2008)認知行動療法に伴って注意バイアスが変化するとの報告(Legerstee et al., 2010)もあり、注意バイアスが不安の形成、維持に何らかの役割を果たしていると考えられます。

そして今回の論文では、行動抑制(乳幼児期)と注意バイアス(思春期)が合わさるとひきこもり(思春期)のリスクが増加するというのです。

注意:social withdrawal(ひきこもり)の得点化は親がChild Behavior Checklist(CBCL)に回答するという形式で行っています。CBCLは日本語版も開発されており、そこでも、ひきこもり(引きこもり)という訳語が使用されているので本ブログもそれに則ります。

Pérez-Edgar, K., Bar-Haim, Y., McDermott, J. M., Chronis-Tuscano, A., Pine, D. S., & Fox, N. A. (2010). Attention biases to threat and behavioral inhibition in early childhood shape adolescent social withdrawal. Emotion , 10, 349–357.

★概要

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Googleトレンドでは特定のキーワードでの検索数を時間経過に沿って相対的に把握することができます。このツールは、緘黙症の検索動向や注目度を調べる上でもたびたび使用されます。

しかし、トレンド検索はいかに緘黙症の検索が少ないかを他のキーワードとの比較で明らかにすることが多いようです。たとえば、発達障害などとの比較がなされ、緘黙症はこんなに注目されていないんだとの考察がなされることがあります。

しかしながら、これだけでは緘黙症の検索動向を正確に把握できているとは言えません。というのも世の中には緘黙症よりも検索数が少ない障害や症状が存在するからです。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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