2013年05月 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
HOME   »  2013年05月

問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

先日図書館で盛田隆二著の『二人静 (光文社文庫)』という書籍を借りてきました。一読し終えたので読書感想文らしきものでもブログネタとして書き残しておきます。



≪感想≫
想像以上にシリアスな作品でした。場面緘黙症だけでなく、介護やDVの問題が克明に記されています。単なる文学作品というよりは社会派小説という方が適切かもしれません。しかし、シリアス一色に染まっているわけではないので、暗黒一色というわけではありません。

噂通り、きちんと「場面緘黙症」の文字が登場しますね。もし、緘黙女児が登場することを知らないで読んだら、驚愕してしまうに違いありません。

携帯メールでのやりとりは昔の私には効果的かもしれないなと感じました。中学生の頃に筆談でもいいよと言ってくれた子がいたのですが、プライドが高いので「喋る能力があるのに筆談だなんで、馬鹿らしい」と考えて応じませんでした。

しかし、相手が率先して声によるコミュニケーションを放棄し、別の手段を使えば応じた可能性が高まったと思います。というのも、緘黙症やその他言語的疾患をもたない人がわざわざ声という簡便な意思疎通手段を放棄してくれたのだから、応じないといけないという気持ちが高まったと考えられるからです。

スポンサードリンク

神経ペプチドホルモンのオキシトシンで社交不安障害(社会不安障害)の人の過剰な扁桃体の興奮が抑えられるようです。今回のテーマはメディアで愛情ホルモンだの信頼ホルモンだのといわれているオキシトシンが治療薬となり得るか?です。

Labuschagne, I., Phan, K. L., Wood, A., Angstadt, M., Chua, P., Heinrichs, M., Stout, J. C., & Nathan, P. J. (2010). Oxytocin attenuates amygdala reactivity to fear in generalized social anxiety disorder. Neuropsychopharmacology, 35, 2403-2413.

★概要

全般性社交不安障害(generalized social anxiety disorder:GSAD)の男性17名、健常者男性17名のデータが最終的に分析に用いられました。ただし、広場恐怖症やパニック障害、転換障害、疼痛性障害、心気症、強迫性障害、特定恐怖を合併している人が混在していました。

オキシトシンスプレー(シントシノン点鼻薬)を鼻腔から注入し、45分後にfMRI(機能的磁気共鳴画像法)での脳スキャンを実施しました。つまり、慢性投与ではなく、急性投与の実験です。

スポンサードリンク

筑波大学(人間総合科学研究科)の園山繁樹教授による『選択性緘黙の経験者と保護者に対する質問紙調査』や奥村真衣子との共著『選択性緘黙経験者における症状のとらえと対処に関する検討』という研究概要がネット上で読めます(最下部参照)。

園山教授は「選択性緘黙の内的世界の探究と治療教育的アプローチの開発」という題目で科学研究費補助金(科研費)を受けており、後者はその予備調査のようです。前者は東條光裕氏が卒業論文(卒論)として実施しました。

*文部科学省と独立行政法人の日本学術振興会が交付している補助金が科研費です。園山教授は代表者として2012年度までに3150万円(間接経費含む)を緘黙症の研究費として受領されています。

参考(最下部発表文献の部分を参照):選択性緘黙の内的世界の探究と治療教育的アプローチの開発:2010年度 研究実績報告書

スポンサードリンク

カテゴリ
ランキング
Twitter
スマートフォンサイト
Amazon書籍
場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

リンクについて
このサイトはリンクフリーです。リンクの取り外しはご自由になさって下さい。個別ページのSNSでの共有やブログ、サイトへのリンクも自由です。
プライバシーポリシー
当ブログはGoogle Adsense広告を掲載しています。Google Adsenseでは広告の適切な配信のためにcookie(クッキー)を使用しています。ユーザーはcookieを無効にすることができます。

なお、Google Adsenseで上げた収益は将来のホームレス生活を見越し、すべて貯金にまわしています。
免責事項
ブログ記事の内容には万全の注意を払っていますが、管理人はその内容の正確さについて責任を負うものではありません。

PAGE TOP