2015年03月 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

扁桃体は顔の信頼性評価に関与します。たとえば、2014年には米国神経科学雑誌『The Journal of Neuroscience』にヒトの扁桃体は「目に見えない」顔刺激でも顔から感じ取れる信頼性に応じて扁桃体活動が異なるという論文が掲載されました(Freeman et al., 2014)。これは逆向マスキング(backward masking)という実験パラダイムで顔をサブリミナル刺激にした研究です。逆行マスキングとは刺激を短時間呈示した後、それを覆うようなマスキング刺激を呈示することにより、先行刺激の認識ができなくなる現象のことです。

↓Freeman et al. (2014)
Freeman, J. B., Stolier, R. M., Ingbretsen, Z. A., & Hehman, E. A. (2014). Amygdala responsivity to high-level social information from unseen faces. Journal of Neuroscience, 34(32), 10573-10581. doi:10.1523/JNEUROSCI.5063-13.2014.

ところが、扁桃体は実際の信頼行動にも関係するのでしょうか?今回はこの問題を扁桃体損傷人で検証した論文です。

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British Journal of Psychiatry(BJPsych)という精神医学雑誌があります。BJPsychとは英国王立精神医学会(Royal College of Psychiatrists:RCPsych)から毎月公刊される英国精神医学ジャーナルのことです。私もこのジャーナルは定期的にチェックしていますが、2015年の3月に出版された206巻3号の表紙のイラストを描いたのは場面緘黙(選択性緘黙)経験者でした。

*「英国精神医学ジャーナルの表紙を描いた場面緘黙当事者」というタイトルから「英国精神医学ジャーナルの表紙を描いた場面緘黙アーティスト」というタイトルに変更しました(2015年3月19日)。

場面緘黙体験者の方のお名前はメガン・ウィントン(Megan Winton)さんです。イングランド南部のウィルトシャー州出身のアーティストです。彼女は場面緘黙だけでなく、強迫性障害(強迫症)やPTSD(心的外傷後ストレス障害・心的外傷後ストレス症)の当事者です。BJPsychの目次に掲載されているちょっとしたインタビュー記事が制作されたころには17歳だった模様です(少し不確かな情報なので曖昧表現)。特に12歳頃から17歳の5年間がしんどかったようです。強迫性障害の症状はコントロールが可能になっていますが、不安とストレスに苛まれる時には緘黙の問題がでてくるようです。

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興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、アブストラクト(要旨)を読んだ不安(障害)・恐怖に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが最新の研究成果です。

なぜ不安(障害)・恐怖なのかというと、場面緘黙(選択性緘黙)児は不安が高いか、もしくは不安障害を合併していることが多いという知見があるからです。さらに、米国精神医学会(APA)が発行するDSM-5では場面緘黙症が不安障害(不安症)になりました。

今回は不安が高いと脅威知覚が高まり、非倫理的行動を起こす可能性が高まるという研究です。

なお、不安(障害)・恐怖以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

最近の記事⇒心の理論が発達している幼児は独裁者ゲームで他の子供との共有が少ない
↑独裁者ゲームとは実験者が1人のプレーヤー(独裁者)にお金を渡し、そこから第二のプレーヤーにどれだけの金額を分配するかを調べる経済ゲームのことです。あげる額は0円でもよく、受取人には選択の余地がありません。ただ、子供版の独裁者ゲームは大人版の独裁者ゲームとは少し異なります。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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