2015年04月 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

タイトルに「SLC6A4プロモーター領域のメチル化」って知らない人が見たらなんじゃこりゃ?ですね。SLC6A4とはセロトニントランスポーター遺伝子のことです。プロモーター領域とは遺伝子の転写を調整する部位のことです。ちなみに、セロトニンの別名は5-ヒドロキシトリプタミンです(ってこれはどうでもいいか)。

(DNA)メチル化とは遺伝子発現のオン/オフを切り替える働きをする分子的変化のことです。メチル化を分子的に記述するとC(シトシン)にメチル基(CH3)がくっついてメチル化シトシン(5-メチルシトシン)になることです。いわゆる「エピジェネティクス」という学問領域になります。

エピジェネティクスとはDNA配列の変化なしに遺伝子発現を切り替える生物学的機構またはそれを探求する学問分野のことです。DNA塩基配列は突然変異でもしなければ変わりませんが、遺伝子発現は環境の影響を受けて変化します。エピジェネティクス制御にはDNAメチル化の他にもヒストン修飾があります。ヒストン修飾も遺伝子発現の制御を担っています。

で、今回はセロトニントランスポーター遺伝子プロモーター領域のメチル化、つまり発現具合が表情刺激に対する扁桃体の興奮を予測するという研究です。プロモーター領域のメチル化が強いと遺伝子発現が抑制されます。

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興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、アブストラクト(論文要旨)、研究方法、結果だけを読んだ、社交不安(障害)に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが最新の研究成果です。

なぜ、社交不安(障害)なのかというと、場面緘黙児(選択性緘黙児)は社交不安(社会不安)が高いか、もしくは社交不安障害(社会不安障害,社交不安症)を合併していることが多いという知見があるからです。また、米国精神医学会が発行するDSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き第5版)では場面緘黙症が不安障害(不安症)になりました。

今回は情事の翌日は社交不安が低いという研究です。他にも様々な結果が得られています。不快に思われる方は読まないでください。

なお、社交不安(障害)以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

最近の記事⇒怒り・罪悪感イベントの反すうで出来事が最近起こったように感じられる
↑反すうとは簡単に言ってしまえばネガティブな出来事を繰り返し繰り返し考えることですが、必ずしも研究者の間で意見が一致しているわけではありません。怒りだと反すう→接近動機づけ→時間的距離感の短さ、罪悪感だと反すう→鮮明さ→時間的距離感の短さという媒介関係が見いだされました。

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青い鳥 (新潮文庫)平成26年(2014年)度葛飾区読書感想文コンクールにて、場面緘黙症(選択性緘黙)の女子中学生(千葉知子)が登場する小説、重松清『青い鳥』の読書感想文が最優秀賞に輝きました。立石中学校1年生の蔭山晴菜さんの「青い鳥を読んで」という読書感想文が中学生の部で最優秀賞となったのです。葛飾区は東京都の特別区で、23区東部のうちの1つです。表彰式は12月2日に終わっています。

『青い鳥』は新潮社から発行された短編小説で、表題作は阿部寛主演で映画化されています。短編ですので、全てのお話に場面緘黙症の女の子が登場するわけではなく、収録作品の1つ「ハンカチ」に緘黙女子が登場するだけです。しかし、蔭山さんは場面緘黙症の中学生が印象に残っていたようで、そのお話が比較的多く読書感想文に記述されています。ただし、吃音の非常勤講師、村内先生のお話も読書感想文に登場します。

平成26年度葛飾区読書感想文コンクールは中学校で5,364点の応募があったのですが、そこから各学校の担当教員による第一次審査、選定委員会による第二次審査がありました。第二次審査の選定委員会は葛飾区の小学校/中学校教育研究会の図書部員の教員から構成されていました。中学生の部の第一次審査で67点が学校代表作品として推薦を受けました。第二次審査から部門別入賞作品が決定され、中学校で10点が入賞となりました。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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