2015年07月 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、アブストラクト(要旨)、実験方法、実験結果を読んだ不安(障害)・恐怖に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが最新の研究成果です。

なぜ不安(障害)・恐怖なのかというと、場面緘黙(選択性緘黙)児は不安が高いか、もしくは不安障害を合併していることが多いという知見があるからです。さらに、米国精神医学会(APA)が発行するDSM-5では場面緘黙症が不安障害(不安症)になりました。

今回は色字共感覚者が感じる色は感情状態によって変動し、不安障害の有無でも違うという研究です。色字共感覚とは文字や数字に特定の色を感じる能力のことです。英語では色字共感覚をgrapheme-color synesthesia(グラフィーム・カラー共感覚)といいます。書記素色覚という表現方法もあります。共感覚の本には日本共感覚研究会会長の岩崎純一氏の『私には女性の排卵が見える―共感覚者の不思議な世界(幻冬舎新書)(幻冬舎)』やジャーナリストのモリーン・シーバーグ著で和田美樹翻訳の『共感覚という神秘的な世界-言葉に色を見る人、音楽に虹を見る人(エクスナレッジ)』などがあります。どちらも共感覚の人が著者となっています。



特に岩崎純一氏は女性の性周期を共感覚で知ることができる能力を持っています。岩崎氏は女性の生理周期(月経周期)を共感覚を通して色や音によって知覚できる男性ということで、女性にとってはなかなかの難敵です。モリーン・シーバーグ氏は『31歳で天才になった男 サヴァンと共感覚の謎に迫る実話(講談社)』という書籍で強盗になぐられて脳に損傷をおい、共感覚とサヴァン症候群を後天的に獲得したジェイソン・パジェット氏と共著をされています(翻訳は服部由美氏です)。

なお、不安(障害)・恐怖以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

最近の記事⇒妊婦がお腹をなでたり、童話・おとぎ話を聞かせると胎児が反応する
↑ここでの童話・おとぎ話とは『3匹のこぶた』と『ジャックと豆の木』のことです。童話・おとぎ話を読んで聞かせるとお腹の中の赤ちゃんのあくびの回数が減少するという結果は興味深いですね。

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近年、脳イメージング技術による精神疾患や発達障害の診断(正確にいうと精神医学的診断と脳科学的診断の一致)が可能であるという研究がでてきています。たとえば、うつ病や双極性障害(躁うつ病)、自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群、アルコール依存症(アルコール中毒)、コカイン依存症に関しては、脳イメージング技術により90%以上の精度で患者と健康な人の識別、あるいは別の疾患/症状との鑑別まで可能という研究成果があります。

また、脳イメージングは薬物療法や認知行動療法の効果の予測を個人ごとに行えます(詳細は「認知行動療法や薬物療法の効果を脳イメージングで予測できる時代へ」や「認知行動療法の効果はfMRIで予測可能(パニック障害・全般性不安障害)」、「背側前帯状皮質-扁桃体がiCBTの予後1年を予測(社交不安障害)」をご覧ください)。

うつ病などの他の精神疾患と比較して、社交不安症での脳イメージング技術の臨床活用への可能性を探る研究は遅れていますが、最近では個別診断や個人ごとの予後の予測が可能であるといった論文が発表され始めています。たとえば、MRI(核磁気共鳴画像法)で社交不安症者か健常者かが84.5%の精度で識別可能という報告(Frick et al., 2014)があります。fMRI(機能的MRI)でも表情パラダイム中の恐怖ネットワークの活動で識別精度が72.6%であったという報告(Frick et al., 2014)表情を用いた課題中の脳結合で社交不安症者と健常者の区別が71~88.5%の精度でできるだけでなく、パニック症(パニック障害)者と社交不安症者の鑑別も81%の正確性で可能という結果(Pantazatos et al., 2014)が報告されており、社交不安症者と健康人、あるいは他の不安症(不安障害)との識別まで研究が進展してきています。

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興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、アブストラクト(論文要旨)、研究手法、研究結果を読んだ、社交不安(障害)に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが最新の研究成果です。

なぜ、社交不安(障害)なのかというと、場面緘黙児(選択性緘黙児)は社交不安(社会不安)が高いか、もしくは社交不安障害(社会不安障害,社交不安症)を合併していることが多いという知見があるからです。また、米国精神医学会が発行するDSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き第5版)では場面緘黙症が不安障害(不安症)になりました。

今回は社交不安が高くてもアルコールを摂取すれば異性との社会的交流で不安が高まりにくくなり、喋る時間が増加、異性の相手の方も被験者とアイコンタクトをする時間が長くなり、フレンドリーさや好感度が上昇、不安が低下するという研究です。

なお、社交不安(障害)以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

最近の記事⇒表情認知訓練で再犯の重さが低下する
↑少年犯罪をした青年が表情認知訓練を受けると、たとえ再犯をしても犯罪が軽微になるという研究です。特に恐怖や悲しみ、怒りといったネガティブ表情の認知力の向上が重要となります。ここでの表情認知訓練とは刺激表情の原因となる出来事を考えたり、鏡を見て自分で表情を作ることを含むトレーニングのことです。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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