2015年08月 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
HOME   »  2015年08月

問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

場面緘黙(選択性緘黙)児が認知行動療法を終了してから1年間追跡調査した研究を読みました。この論文は「心理社会的介入を場面緘黙児にしたRCT論文」という記事で紹介した臨床試験研究に参加した場面緘黙児24人の予後1年を調べた文献になります。ノルウェーの研究です。元の臨床試験では12人を心理社会的介入を受けた群、残りの12人を統制(待機)群として両者を比較していました。今回は待機期間が終了した統制群の場面緘黙児も治療を受けた結果の報告なので12人の予後ではなく、24人の予後となっています。

なお、本論文では認知行動療法という表記になっているため、このブログ記事でも認知行動療法と記載します。元のRCT論文が心理社会的介入(心理社会的治療)という書き方なのに急に認知行動療法という書き方になった理由は分かりません。

Oerbeck, B., Stein, M. B., Pripp, A. H., & Kristensen, H. (2015). Selective mutism: follow-up study 1 year after end of treatment. European Child & Adolescent Psychiatry, 24(7), 757-766. DOI:10.1007/s00787-014-0620-1.

★概要

○方法

参加者は場面緘黙児24人。女の子が16人。平均年齢6.5歳(SD=2.0)。年齢の範囲は3~9歳。3~5歳の就学前児童が9人、年齢が6~9歳で(日本なら)小学生の子供が15人。バイリンガル児が6人。

治療方法の詳細は「心理社会的介入を場面緘黙児にしたRCT論文」で書いた内容を参考のこと。

スポンサードリンク

場面緘黙(選択性緘黙)児への心理社会的介入(心理社会的治療)の効果をRCT(ランダム化比較試験)で検証した論文を読みました。ノルウェーの研究です。

Oerbeck, B., Stein, M. B., Wentzel‐Larsen, T., Langsrud, Ø., & Kristensen, H. (2014). A randomized controlled trial of a home and school‐based intervention for selective mutism–defocused communication and behavioural techniques. Child & Adolescent Mental Health, 19(3), 192-198. DOI: 10.1111/camh.12045.

★概要

○方法

介入研究の対象になったのは24人の場面緘黙児(女の子16人)。平均年齢は6.5歳(SD=2.0歳)で、範囲は3~9歳。3~5歳の就学前児童が9人。6~9歳の小学児童が15人。バイリンガルが6人。12人は心理社会的介入を受けた介入群で、残りの12人は待機リスト統制群(wait list control)。 介入群は女児が9人、統制群は女児が7人。非言語性IQ、受容語彙は正常範囲内。

*非言語性IQの評価はスタンフォード・ビネー検査法非言語性流暢推論下位テスト(Stanford-Binet NonVerbal Fluid Reasoning subtest:S-BNVFR)による。受容語彙の評価はピーボディ絵画語彙検査(Peabody Picture Vocabulary Test:PPVT)による。

場面緘黙児の全員が社交恐怖症(社会恐怖症,社会不安障害,社交不安障害)を合併。分離不安障害の診断を受けたことがある緘黙児が7人、特定恐怖症が6人、全般性不安障害が2人、強迫性障害が2人、チック障害が2人、遺尿症(夜尿症)が6人、遺糞症が1人。

スポンサードリンク

カテゴリ
ランキング
Twitter
スマートフォンサイト
Amazon書籍
場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

リンクについて
このサイトはリンクフリーです。リンクの取り外しはご自由になさって下さい。個別ページのSNSでの共有やブログ、サイトへのリンクも自由です。
プライバシーポリシー
当ブログはGoogle Adsense広告を掲載しています。Google Adsenseでは広告の適切な配信のためにcookie(クッキー)を使用しています。ユーザーはcookieを無効にすることができます。

なお、Google Adsenseで上げた収益は将来のホームレス生活を見越し、すべて貯金にまわしています。
免責事項
ブログ記事の内容には万全の注意を払っていますが、管理人はその内容の正確さについて責任を負うものではありません。

PAGE TOP