2015年12月 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、アブストラクト(論文要旨)だけを読んだ、社交不安(障害)に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが最新の研究成果です。

なぜ、社交不安(障害)なのかというと、場面緘黙児(選択性緘黙児)は社交不安(社会不安)が高いか、もしくは社交不安障害(社会不安障害,社交不安症)を併発していることが多いという知見があるからです。また、米国精神医学会(APA)が発行するDSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き第5版)では場面緘黙症が不安障害(不安症)になりました。

今回は社交不安が高い人はセルフコントロールが苦手、しかも社会的交流を行った後に自己制御資源が枯渇しやすいという研究です。セルフコントロール(自己制御/自己調整)とは目標達成のために自分の感情や欲求、行動などを統制する力のことを言います。

なお、社交不安(障害)以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

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北村恵理(きたむらえり)『 アレハンドロの大旅行(福音館書店)』はひとことも話をしないイノシシが登場する童話の絵本です。どういうお話だろうかと気になったので読んでみました。以下、ネタバレ注意です。

子供向けの童話なだけにあらすじはシンプルで何も話さないイノシシ、「アレハンドロ」が話せるようになるために旅に出て目標地点である丘の頂上に達し、お家に帰ってくるというものです。実際、丘の頂上に到着すると大きな声をあげることができるようになり、その後も普通に喋ります。

ただ、はっきり言って内容は場面緘黙症(選択性緘黙)とは違うかなと思います。旅の最中に喋るタイミングを逃したり、他の動物(コンドル)が代わりに喋ってあげるなどで喋れなかったという場面が多すぎるのです。もちろん、旅に出る前はこのイノシシが「場面緘黙症」だった可能性は無きにしも非ずなのですが、いかんせん子供向けの童話ということもあってか状況説明が少なすぎるので判断不能です。また、同書には緘黙という言葉が一切使われていませんし、「喉が詰まったような感覚」の描写が1つもありません。単に発語発達が遅いだとか言葉の遅れがあるなどの理由でも説明できそうです。もっともこれらの説明だけでは後半で急に話し始めるシーンとは不整合になるので、説得力は高くありません。しかし、後半でのおしゃべりは文法的にも単純なもので、言葉の発達に遅れがあっても話せる内容かもしれません。このあたりのところは私に言語発達に関する専門知識が欠けていることもあり、判断できませんでした。

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2015年12月3日(木)に放送されたトークバラエティ番組『アウト×デラックス(OUT×DELUXE)』(フジテレビ系列)において俳優の手塚とおるさんが高校時代、学校で一言も喋らず、筆談で過ごしていたことを告白しました。このカミングアウトが場面緘黙症(選択性緘黙)を意味するものかどうかは不明ですが、状態像は酷似しています。

以下、某動画サイトで私が確認したやりとりです。なお、人物紹介や番組内容の紹介、CM、および細かい話し言葉等は適宜省略しています。私はこういう聞き取りが苦手なので細かいところが間違っているかもしれませんが、悪しからず。また、喋っている途中に他の人が喋りだすと話が途中で切れてしまうなど様々な文脈要因があるので、字面をそのまま鵜呑みにするのは危険です。「…」を活用するなど多少の工夫はしましたが、書き起こしだけだと誤解する内容もあるかもしれません。その辺り、ご了承ください。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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