2016年03月 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、アブストラクト(要旨)だけを読んだ不安(障害)の治療法に関する最新の論文を取り上げるはずでしたが、今回は全文を読みました。

なぜ不安(障害)なのかというと、場面緘黙症児は不安が高いか、もしくは不安障害(不安症)を併発していることが多いという知見があるからです。さらに、米国精神医学会が発行するDSM-5では場面緘黙症(選択性緘黙症,選択的緘黙症,選択緘黙症)が不安障害になりました。

今回は不安障害児の保護者は子供がスピーチに参加するよう促す発言(勇敢推奨発言)をすることが少なく、認知行動療法の後に保護者の勇敢推奨発言が増加し、治療前の勇敢推奨発言が多いほど不安障害児の治療後の予後が良好という論文です。

なお、不安(障害)以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

最近の記事⇒セラピストはメタファーを多用する
↑うつ病の認知行動療法でクライエントよりもセラピストの方がメタファーを多用するという研究です。ただし、ここでのメタファーとは暗喩(隠喩)だけでなく、明喩(直喩)も含まれます。

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今回は、場面緘黙症(選択性緘黙)の高校生に声量フィードバックと暴露療法を適用した事例研究です。

Okumura, M., & Sonoyama, S. (2015). Voice volume feedback and in vivo exposure intervention for a high school student with selective mutism. Journal of Special Education Research, 3(2), 55-64. doi:10.6033/specialeducation.3.55.

筑波大学大学院人間総合科学研究科の奥村真衣子氏(心身障害学専攻)と同大学人間系障害科学域園山繁樹教授による共著論文です。本研究は日本学術振興会(Japan Society for the Promotion of Science,JSPS)の科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金)から助成金をもらって実施されています。「選択性緘黙を克服した平均年齢は18歳」という記事で取り上げたポスター発表も奥村氏と園山教授による研究でした。

参考記事⇒園山繁樹教授による選択性緘黙の研究概要

○目的

声量フィードバックとin vivo暴露療法(in vivo exposure)という行動療法の技法を用いて、場面緘黙症の高校生に対する介入を大学カウンセリングとコミュニティ生活場面で検証すること。合わせて不安レベルの低下と場面緘黙症状の低下の関係を探ることも目的としました。

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興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、アブストラクト(要旨)だけを読んだ不安(障害)・恐怖に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが最新の研究成果ですが、印刷中(in press)状態が解除されるのを待っているため、ブログに反映するのが遅れていることが多いです。

なぜ不安(障害)・恐怖なのかというと、場面緘黙(選択性緘黙)児は不安が高いか、もしくは不安障害(不安症)を併発していることが多いという知見があるからです。さらに、米国精神医学会(APA)が発行するDSM-5では場面緘黙症が不安障害になりました。

今回は状態不安や特性不安が高い人は陰謀理論(conspiracy theory)傾向が強いだとか試験待ち状態で陰謀を考えるようになるというお話です。陰謀理論とは権力者や組織などの「陰謀」が出来事の背景にあると信じる傾向のことです。

なお、不安(障害)・恐怖以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

最近の記事⇒こちょこちょを自分でやってもくすぐったい統合失調傾向が強い人
↑普通は他人からこちょこちょされるよりも自分でこちょこちょする方がくすぐったくないものです。しかし、統合失調傾向が強い人は自分でこちょこちょしてもくすぐったいという研究です。特に、異常な知覚体験や疑り深さが高い人、「自分の考えが他人に抜きとられる(考想奪取)」、「他人の考えが自分に入れられる(考想吹入)」などといった被影響体験(Passivity Experiences)が強い人は自分でこちょこちょしてもくすぐり知覚が強いという結果が得られました。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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