2016年09月 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

選択性緘黙(場面緘黙症)のメカニズム、特に維持期における認知行動モデルの解明の手がかりを探索した研究があります。どうも社交不安症の認知モデルに関する研究を参考にして、選択性緘黙独自のモデルの作成を試みる取り組みのようです。本研究は2016年10月8日~10日にサンポートホール高松・かがわ国際会議場を会場とした日本教育心理学会第58回総会(担当校:香川大学)でポスター発表されます。大阪大学の高木伸也さんと大阪大学大学院の佐々木千恵さんが研究担当者です。

高木伸也さんといえば、南山大学人文学部心理人間学科の「カウンセリング研究ゼミ」の2014年度卒業生題目(卒業論文?題目)において、「長期化した場面緘黙に対する治療的アプローチの検討 ―認知情報処理アプローチの適用―」なる研究をされた方も高木伸也さんというお名前で同姓同名でした。同一人物でしょうか?なお、この卒業生題目では「注意バイアス修正訓練を長期化した場面緘黙に適用していくべき」だという主張がされています。

なお、注意バイアス修正訓練とは?という方は「ネガティブ表情から笑顔を見つける訓練で社会恐怖が低下」という記事などを参考にしてください。なお、注意バイアス修正訓練はスマートフォンでも実施でき、実際にその効果を二重盲検法を用いたRCT(ランダム化比較試験)デザインで検証した研究(Enock et al., 2014)があります。また、そもそも注意バイアスとはなんぞや?という方は「社交不安→ポジティブ評価恐怖尺度得点が高い→注意バイアス」という記事の「基礎知識1(注意バイアスとは?)」という項目を参考にしてください。

高木伸也・佐々木千恵(2016). 選択性緘黙の認知・行動に関する探索的研究 ―能動的側面と受動的側面― 日本教育心理学会第58回総会発表論文集, 718.

○目的

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担任が場面緘黙児を認知するきっかけや場面緘黙児のタイプごとの教育支援の内容等を調査した研究があります。本研究は2016年10月8日~10日にサンポートホール高松・かがわ国際会議場を会場とした日本教育心理学会第58回総会(担当校:香川大学)でポスター発表されます。神戸国際大学の成瀬智仁さんが発表者です。

成瀬智仁(2016). 緘黙児童に対する小学校教員の教育援助について(2) ―緘黙類型と小学校教員の援助の課題― 日本教育心理学会第58回総会発表論文集, 370.

なお、成瀬氏は2015年に開催された日本教育心理学会第57回総会でも場面緘黙症に関するポスター発表をされており、その論題が『緘黙児童に対する小学校教員の教育援助について ―緘黙症状の類型と小学校教員のかかわり―』でした。ポスター発表のタイトルを見る限り、今回はリンク先の研究の続編とみることが可能です。また、成瀬氏は2014年開催の日本教育心理学会第56回総会でも「緘黙生徒に対する高校教員の指導意識について -緘黙についての理解と指導意識の類型-」というポスター発表をされています。

○調査対象者

A市公立小学校24校の教員に対して質問紙調査(有効回収率61.7%)。ここでの教員とは教諭・講師のことです。337名の教員が協力(女性232名、男性105名)。平均年齢40.1歳(SD=13.10)。

○結果

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興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、アブストラクト(摘要)だけを読んだ、社交不安(障害)に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが最新の研究成果です。

なぜ、社交不安(障害)なのかというと、場面緘黙症児(選択性緘黙症児)は社交不安が高いか、もしくは社交不安障害(社会不安障害,社交不安症)を併発していることが多いという知見があるからです。また、米国精神医学会が発行するDSM-5では場面緘黙症が不安障害(不安症)になっています。

今回は、社会的ストレッサーを受けた後に社交不安障害者が感じやすい離人感が認知療法の後で低下するという研究です。特に治療反応性が高かった者で離人感の低下が著しかったようです。

なお、社交不安(障害)以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

最近の記事1⇒Twitterで情報過多だと友達ではなく、見るツイートを減らす
最近の記事2⇒Googleで去年の西暦の検索が多い地域は自殺率が高い
↑記事1は東京経済大学の佐々木裕一准教授と北村智准教授、東京大学の河井大介助教による共著論文です。このお三方は誠信書房から『ツイッターの心理学:情報環境と利用者行動』という本を出版されておられます。
記事2は去年に起こった出来事の検索のことではなく、「去年の西暦」、すなわち、「去年の年」の検索のことです。注意してください。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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