2016年10月 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

休み時間が楽しい場面緘黙児(選択性緘黙児)、友だちといて楽しい場面緘黙児がけっこういるという報告に驚いたので、ここに書き記しておきます。

内田育子(2012). 場面緘黙の子どもたちについて : 子どもたちの思いによりそった支援 島根大学大学院教育学研究科「現職短期1年コース」課題研究成果論集 3, 41-50.
英語表記:Uchida, I. (2012). Students with selective mutism : supportive approaches snuggling up to their minds. Shimanedaigaku daigakuin kyoikugakukenkyuka"gensyokutankiitinenkousu"kadaikenkyuseikaronsyu, 3, 41-50.

○調査概要

「島根県通級指導教室の実態調査」の一環として、「通級指導教室担当者への実態調査」が3回行われています。本ブログ記事ではその内、2回をとりあげ、次いで緘黙児童生徒本人への調査にふれます。

●1回目の調査

県内担当者会に参加した48人(48校)の通級指導教室担当者がアンケートに協力。その結果、4月時点で「通級指導教室に通う児童生徒の中で,場面緘黙の児童生徒は,2.8%(924 人中26 人)」でした。女子19人、男子7人。

●2回目の調査

「場面緘黙児童生徒がいる教室の指導者」がアンケートに回答。「14教室に通う21人の児童生徒について回答を得」た。質問内容は「各児童生徒の具体的な背景と指導の実際について」。この第2回目の調査の結果は以下の通りです。

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興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、アブストラクト、序論の一部、実験方法、実験結果を読んだ社交不安(障害)に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが最新の研究成果です。

なぜ、社交不安(障害)なのかというと、場面緘黙児(選択性緘黙児)は社交不安(社会不安)が高いか、もしくは社交不安障害(社会不安障害,社交不安症)を併存していることが多いという知見があるからです。また、米国精神医学会(APA)が発行するDSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き第5版)では場面緘黙症が不安障害(不安症)になりました。

今回は、評価的自己注目で見られている感じが強まるという研究です。評価的自己注目とは、原語のself-focussed evaluative attention(SFEA)を私が勝手に翻訳した用語です。私の読んだ限りではという条件つきで論文中には、評価的自己注目に関する明確な定義が記述されていませんでした。しかし、社交不安症の認知モデルにおいて、社交不安症者は社会的状況で自己モニタリングや自己評価が亢進(自己注目)し、不安感情やネガティブイメージといった内的情報を用いて他者へ与える印象について過剰に否定的な推論を下すと序論で述べられていますから、自己注目で、自分から見た他者からの評価が過剰にネガティブになるようになるみたいなことを言っているのかもしれません。

なお、社交不安(障害)以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

最近の記事1⇒精神科医の表情認知力に関する調査
最近の記事2⇒見つめられると信じてしまう
↑記事1について、精神科医やサイコロジスト(心理士)が自らSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)のパロキセチン(パキシル)または偽薬(プラセボ)を飲んだ研究(Besnier et al., 2010)がありますが、今回は精神科医自身の表情認知力に関する調査です。しかも、精神科医が心理療法重視なのか精神薬理学重視なのか、児童青年の精神疾病を専門とする児童青年精神科医なのか成人の精神疾病を専門とする医者なのかといった違いの影響も調べています。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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