2016年11月 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、論文アブストラクト(抄録)だけを読んだ不安(障害)・恐怖に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが最新の研究成果です。

なぜ不安(障害)・恐怖なのかというと、場面緘黙(選択性緘黙)児は不安が高いか、もしくは不安障害(不安症)を併存していることが多いという知見があるからです。さらに、米国精神医学会(APA)が発行するDSM-5では場面緘黙症が不安障害になりました。

今回は、他人より自分の方が貧しい/豊かだと思うと、不安が高まり、不安がカロリー摂取量を増加させるという研究です。特に、所属欲求が高い人達で顕著です。

なお、不安(障害)・恐怖以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

最近の記事1⇒狭い場所にいると自己制御が上手になり、食物の誘惑に勝てるようになる
最近の記事2⇒精神障害者かどうかは顔を見れば分かる
↑2つ目の記事の精神障害とは、境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)と大うつ病性障害(うつ病)のことです。写真に写っている人の抑うつの程度も、顔を見ればある程度推測できるようです。

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実は、喋らなくても喋っているという感覚(錯覚)を味わうことができるという実験があります。これを場面緘黙(選択性緘黙)児・者の支援に何らかの形で生かせる可能性があるかもしれないので、本ブログで取り上げることにします。

Banakou, D., & Slater, M. (2014). Body ownership causes illusory self-attribution of speaking and influences subsequent real speaking. Proceedings of the National Academy of Sciences, 111(49), 17678-17683. doi: 10.1073/pnas.1414936111.

★概要

実験の前に2人(男性1人・女性1人)から9種類の単語の発話を記録。2人の声は基本周波数(F0,Fundamental frequency)がスペイン人の平均値よりも高かったです。ダメ押しでさらにピッチを調整し、確実に声が高くなるようにしました。後述するように、この声刺激をあたかもバーチャル身体が発しているかのようにしました。

○実験手続き

実験参加者はスペイン人44人。後に述べるように、実験条件は視運動(同期 or 非同期)×喉への振動刺激の有無の4通りで、すべて被験者間計画。平均年齢は20~27歳で、群間の有意差なし。バーチャルリアリティ(VR)実験の前後に、単語を言っている時の声のF0を計測。

実験開始前にヘッドセットを装着して9種類の単語を発声し、音声データとして記録しました。単語はバーチャル身体が「喋っている」のと同じ単語を用いました(詳細は後述)。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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