緘黙の後遺症を逆手にとって研究を促進できる | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

場面緘黙症は非常に特異な症状だなあと感じています。家では話すことができるのに、学校など特定の場面では全く話せなくなってしまうなんて、内弁慶ぶりもいいところです。ところが、やっかいなことにこんな状態が長時間持続すると、たとえ緘黙症から回復してもいわゆる「後遺症」なるものが問題になってきます。

私はこの後遺症を緘黙症の研究促進の起爆剤として利用できるのではないかと考えています。その根拠は数々の症状や障害です。たとえば顔から人の識別ができない相貌失認の人は人間の顔認識能力を支える認知的、神経的基盤の解明に役立っています。ちなみに脳科学者の池谷裕二さんも相貌失認で「最近」そのことがわかったそうです。私はこのことを彼のTwitterを通して「最近」知りました。

池谷裕二さんのTwitterから抜粋



※注意:ここでいう症状とは相貌失認のことです。

ちなみに池谷裕二さんは日本学士院学術奨励賞(2013年)など数々の賞を受け、一般向けに脳研究の最前線について分かりやすく解説した書籍を執筆するなど、日本を代表する脳科学者です。

っと、話が逸れました。
ええっと、人間の本質に迫る症状や障害として、相貌失認以外にも自閉症ではコミュニケーションや社交性の本質、統合失調症では…などと、これらは心理学の基礎研究にも貢献できるわけです。そして、基礎研究が発達すると、それをもとに症状/障害のモデルだとか治療法も開発されていきます。

となると、緘黙が人間の本質に迫る材料を提供できれば、研究が進展すると考えられます。そのような候補は社会性の発達です。

緘黙症の後遺症としてよく見聞きするものは、

1.社会不安/社交不安(これが緘黙の原因だという説もあります)

2.親しい人とは、2人で雑談できるけど、3人以上になったらとたんに沈黙してしまう。

3.コミュニケーション能力の決定的な不足

4.人から注目される場面(グループで議論や作業をしている中、自分の番が回ってくるとフリーズしてしまうなど)

etc …(4.は私だけかも?)

このように、特定の場面でしゃべらない(実際にはしゃべれない!)状況が長引くと、社会性の発達に問題がでてくると予想されます。これは逆に言えば、学校など特定の場面での社会的な関係が人間の社会性の発達に重要なことを示しているということです。

つまり、現役緘黙の人と元緘黙の人、(社交)不安障害の人、不登校の人、健常者を比較すれば、「家の外での会話って社会性の発達にこんなに大切なんだよ」ということを明らかにできるということです。これは社会性・社交性の発達に関心のある心理学者が飛びつきそうなテーマです。

また、神経科学的に社会性の発達を研究している者にとっても、「長時間特定の場面で会話しない(できない)」環境が脳に与える影響というのは興味深いテーマだろうと思います。場面緘黙症について精力的に勉強なさっている富重洋さんもブログ記事「会話が少ないと、脳の発達にどういう影響があるのか」で子どもの頃に学校で長時間話せないことが長引くと、脳の発達に悪影響があるとの危機感を示しておられます。

その他にも、特定の状況で話せないことが言語能力やそれを支える神経基盤に与える影響を研究し、「たとえ限定された場所、状況であっても人間発達に会話は大切なんだ」ということを明らかにできると考えられます。

ただその際に、脳への影響が外での会話がない状況のためなのか、それとも社会不安や社会経験の少なさに起因するものなのか、明確に区別するためにも社交不安障害や不登校、ひきこもりの方にも研究に協力してもらう必要があるでしょう。

ただ、研究協力の要請を不登校や引きこもりの方にお願いするのは難しいでしょうから、健常者向けの質問紙などで代替する必要がでてくるかもしれません。

緘黙や不登校、ひきこもりの継続年数を横軸(独立変数)として、縦軸(従属変数)に行動や認知、心理、脳容量、脳活動といった指標をとれば、興味深いグラフになりそうです。

なお、相貌失認についてさらに知りたい方は池谷裕二さん絶賛の『人の顔が覚えられない「相貌失認」について知ってください』(NAVER まとめ)をご覧ください。

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Comment
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犯罪被害
初めましてカイブキと申します。管理人さんにお願いしたい事があってコメントさせてもらいました。

管理人さんは電磁波犯罪集団ストーカーという犯罪の被害を受けているせいでそういった精神状態になってしまっているのかもしれません。電磁波犯罪とは遠隔から目に見えない電磁波で一般人を攻撃する犯罪の事です。電磁波兵器を使えば人間の精神をおかしくさせられます。感情や思考、欲を操ったり、テレパシーのように頭に声を聞かせたりする事ができます。洗脳やマインドコントロールもできます。今までにそういった事はなかったでしょうか。電磁波被害がなくなれば本来の精神状態に戻る事ができます。

もう一つの集団ストーカー犯罪とは特定の人物を狙って大人数でいろいろな嫌がらせをするという犯罪です。第三者には分かりにくい陰湿なやり方で嫌がらせをやってきます。電磁波兵器で集団ストーカーの状況を作り出している可能性もあるかと思います。一度電磁波犯罪集団ストーカーという言葉で調べてみてください。

自分は現在この二つの犯罪の被害を同時にタイミングを合わせ受けています。詳しい事はブログを見てもらえればお分かり頂けるかと思います。

この犯罪を解決するためには被害者が協力する必要があります。できれば会を作って活動等していきたいと思います。電磁波被害があるのでほとんど何もできず中途半端な事になってしまうかもしれませんがもし協力して頂けるならメールかブログへ返信お願い致します。

Eメール denjisyuu@gmail.com

ブログ http://denjihaheiki.jugem.jp/


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Re: 犯罪被害
カイブキさん、電磁波がどうとかよく分かりませんが、このようなコメントを他人のブログに載せることは失礼です。

精神障害による妄想や薬物の影響でまじめに電磁波云々と書いて下さった可能性も考慮し、返事をしましたが、普通ならスパム扱いとして処理することになります。

その点、ご了承ください。


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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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