緘黙の検索トレンドを適切に理解するために | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

Googleトレンドでは特定のキーワードでの検索数を時間経過に沿って相対的に把握することができます。このツールは、緘黙症の検索動向や注目度を調べる上でもたびたび使用されます。

しかし、トレンド検索はいかに緘黙症の検索が少ないかを他のキーワードとの比較で明らかにすることが多いようです。たとえば、発達障害などとの比較がなされ、緘黙症はこんなに注目されていないんだとの考察がなされることがあります。

しかしながら、これだけでは緘黙症の検索動向を正確に把握できているとは言えません。というのも世の中には緘黙症よりも検索数が少ない障害や症状が存在するからです。

たとえば、2013年4月現在、相貌失認(prosopagnosia)や先天性失音楽(congenital amusia)、先天性副腎過形成(congenital adrenal hyperplasia)などは緘黙症よりも検索数が少ないかまたは同等なようです(Googleトレンドによる)。

注意:相貌失認とは人の顔がうまく認識できない、記憶できないという症状で、先天性失音楽とは各種音楽機能が障害されていることをいいます。失音楽の人は声のピッチが上手くつかめないため、日常会話に支障をきたすこともあります。

先天性副腎過形成については本ブログの記事「先天性副腎過形成と同性愛」を参照してください。

ただし、先天性失音楽に関してはあまりにも検索数が少ないため、単に失音楽またはamusiaでトレンドを調べました。

Googleトレンド(場面緘黙症と相貌失認、失音楽、先天性副腎過形成の比較)

上に貼ったリンク先によれば、相対的に緘黙症の検索数が多いといえます。

しかし、2013年4月に相貌失認の検索数が緘黙症を上回っています(ただし、集計中のデータ)。これはTBSが2013年4月14日(日)に企画した番組「最新人体ミステリー シンドロームX」で、母親の顔もオバマ大統領の顔も分からない成人男性の事例が放送された影響だと思われます。

興味深いことに、英語版では、序盤戦は場面緘黙症(selective mutism)が優勢で後に相貌失認と拮抗していきます。場面緘黙症と先天性副腎過形成もいい勝負ですが、緘黙症が優位にたっています。

Googleトレンド:英語版(場面緘黙症と相貌失認、失音楽、先天性副腎過形成の比較)

症状や当事者数が異なるものを一括して比較するというのは方法論的に疑問の余地があるとは思います。しかし、緘黙症よりも検索数が少ない障害や症状を無視してしまうと、緘黙症の検索数を過剰に低く評価してしまう危険があります。

ちなみにGoogleトレンドではYouTubeの検索傾向も調べられるようになりました(2013年3月20日にGoogle社が発表)。トレンドの画面左下に「次の条件に限定」という項目があります。その中のウェブ検索(デフォルト)をクリックすれば、画像検索やニュース検索、製品検索と並んでYouTube検索という選択肢が追加されているのが分かるでしょう。

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Comment
136
トレンド
実に面白い(笑)
(あれ、物理の先生はふつう白衣を着ないのだけれど、視聴者にわかりやすいように白衣を着せているらしいです。そういえば、刑事ドラマでおなじみの裁判の「カンカン!(静粛に!)」も日本の裁判では使われないみたいです)

●このGoogleトレンド結果をみていたら記事とは違った部分が気になってしまいました。
4月の緘黙検索結果が依然として高いのですね。
落ち着いてきたとはいえ、まだ2倍です。
これだったらTV(バラエティ)での啓発は学年末(3月?)くらいのほうが準備の余裕があって
かえっていいということもあるのかなと・・・
きちんとしたものは4月でもいいけれど。
5月だと「みたみた?」とかなりそうです


一か月後(JPN5月・USA10月)の啓発というのもいまいち合理性に欠けるような・・・
なんで一か月待ってから啓発する必要があるのか・・・
4月の時点で子供をマークして、勉強、準備しておけばあわてることもないのに。
5月に啓発と言うことは、診断重視ということで、「予防」という観点はないのかなという気もする。
4月の時点で予防するための研究、啓発もあっていいのでは・・・

●このトレンドは、相対化して表示するところが仇になるなあと感じることがあります。
比較対象の差があまりに大きい場合、細かい変動をとらえにくくなってしまうんですよね…>< 
変動の大きさを検討したい場合は、できるだけ近い数値になるものを比較対象にすることになります。

137
Re: トレンド
> 実に面白い(笑)

ガリレオ先生ですね(笑)

> 4月の緘黙検索結果が依然として高いのですね。
> 落ち着いてきたとはいえ、まだ2倍です。

問題は誰が検索しているのか?です。今まで埋もれていた大人の当事者や今現在学校で沈黙を通している緘黙児やその保護者なのか?それとも緘黙児を取り巻く周囲の人たちなの?これらの人がどれぐらいの割合を占めているのかが気になります。

> 5月に啓発と言うことは、診断重視ということで、「予防」という観点はないのかなという気もする。
> 4月の時点で予防するための研究、啓発もあっていいのでは・・・

そもそも、緘黙症の認知度が低いし研究も進んでいないので、いきなり「予防」といわれても、実際に啓発する人は困りそうです。

> ●このトレンドは、相対化して表示するところが仇になるなあと感じることがあります。
> 比較対象の差があまりに大きい場合、細かい変動をとらえにくくなってしまうんですよね…>< 
> 変動の大きさを検討したい場合は、できるだけ近い数値になるものを比較対象にすることになります。

場面緘黙症と相貌失認は直接比較した方が分かりやすいグラフになりますものね。

138
トレンド2
そうです。ガリレオ先生です。
初回のを見ていて思ったのですけど、
電磁波(マイクロ波)を照射して茹で人間(Boiled Brain?)にしちゃったじゃないですか。あの時眼球が白濁していたのだけど、内部から加熱したら、眼球が爆発することはないのかな?卵みたいに・・・

そういえば、世界では豚とかの脳を食べるらしいですね。
食べたことありますか?
白子みたいなのかなあ・・・焼き魚の脳はたまに口に入れてみたりするけど(笑)
シラスの脳なら知らないうちによく食べてます(笑)

>問題は誰が検索しているのか?です。今まで埋もれていた大人の当事者や今現在学校で沈黙を通している緘黙児やその保護者なのか?それとも緘黙児を取り巻く周囲の人たちなの?これらの人がどれぐらいの割合を占めているのかが気になります。

誰なのでしょうね?私も気になってました。もしかしたら、過去のツイートをみて検索してみた人もまぎれているのかも。それと定期的にSMJに来るけどお気に入りしてないという人は「場面緘黙症」と検索することが多いかと。意外と過去の利用者が検索しなおしたというケースもあったりして・・・

>そもそも、緘黙症の認知度が低いし研究も進んでいないので、いきなり「予防」といわれても、実際に啓発する人は困りそうです。

まあ、そうですよね。でも信州かんもくサポートネットワークのお話で、予防的処置について触れていましたよ。興味のある方はほかにもいそうです。


ついでに・・・何かいい辞書(オンライン)・文法学習サイトはないかな
翻訳をしててまた思ってしまいました。
けっこうフレーザルバーブとかの身近な英語も翻訳ではよく出てきます。

139
耳の聞こえない緘黙児は存在するか
ふと疑問に思ったのですが、
聴覚障害で耳が聞こえない子も緘黙になるのでしょうか?

喋れないといっても耳が聞こえないのだから当然なのですが、
「緘黙」はなくても「緘動」は生じる子はいるのではないかと・・・

しかし、緘動だけでは診断できそうにないし・・・

一方で、目の見えない緘黙児というのも存在するのか気になる・・・

視覚・聴覚障害とシャイネスの関連を研究すれば、音や資格情報を不安児がどうとらえていくかの参考にはなるのかなとふと感じました。

たぶん、目の見えない人は「見られる恐怖」「おかしな姿態への不安」などは生じにくいだろうし、耳の聞こえない人は「いい声、変な声」の区別は健常児ほどしなさそうです。

141
Re: トレンド2
> 誰なのでしょうね?私も気になってました。もしかしたら、過去のツイートをみて検索してみた人もまぎれているのかも。それと定期的にSMJに来るけどお気に入りしてないという人は「場面緘黙症」と検索することが多いかと。意外と過去の利用者が検索しなおしたというケースもあったりして・・・

なるほど。そういうケースは考えたこともありませんでした。しかし、単なる憶測ですが、数的には少ないと思われるので無視できるでしょう。テレビ放送をきっかけとした訪問を問題としているので、定期的にSMJに来る人は無関係ですよ(放送前との検索数の差をとれば良い)。

> ついでに・・・何かいい辞書(オンライン)・文法学習サイトはないかな
> 翻訳をしててまた思ってしまいました。
> けっこうフレーザルバーブとかの身近な英語も翻訳ではよく出てきます。

知りませんね。日常用語でよく使う言葉を集めた辞書を購入するのがてっとり早いのでは?

142
Re: 耳の聞こえない緘黙児は存在するか
> ふと疑問に思ったのですが、
> 聴覚障害で耳が聞こえない子も緘黙になるのでしょうか?

それはなるでしょうね。問題は耳が聞こえない子は通常と比べてどれだけ緘黙症になりやすいかですが、私には分かりません。

> 喋れないといっても耳が聞こえないのだから当然なのですが、
> 「緘黙」はなくても「緘動」は生じる子はいるのではないかと・・・

そもそも耳が聞こえないからと言って喋れないとは限りません(誤解していたらスミマセン)が、仮にしゃべれないとしても、特定の人や状況で手話などの代替手段を使えないということになるのかも?しかし、緘黙の診断要件に「コミュニケーション障害(例えば、吃音症)ではうまく説明できない」とありますから、もしかしたら聴覚障害がある場合は緘黙とは診断しないのかもしれません。

> 一方で、目の見えない緘黙児というのも存在するのか気になる・・・

これも聴覚障害の場合と同じ理屈が当てはまります。盲目児の出現率と緘黙児の出現率を掛け合わせて、それよりも発症率が多いかどうかが問題になります。

> 視覚・聴覚障害とシャイネスの関連を研究すれば、音や資格情報を不安児がどうとらえていくかの参考にはなるのかなとふと感じました。

なるほど。そうかもしれません。


144
分裂気質って?
>(放送前との検索数の差をとれば良い)。

おっしゃるとおりですね。ヘビーユーザー数は変わらないですものね。

>知りませんね。日常用語でよく使う言葉を集めた辞書を購入するのがてっとり早いのでは?

紙の辞書(コリンズの英英)はもってますよ^^ ただ、若干誤字脱字が多い気がするけれど・・・
ちなみに現在、手持ちの電子辞書はハングル表記なので、英韓辞典はあっても英和はありません(笑;韓日、英英、中韓はありますよ^^)英和がついた日本製のヤツは自分で修理してたときにぶっ壊してしまいました><ボタンの電気が流れていないだけで中身には問題なかったのですが、開ける時に勢い余ってブチッと線のほうを切っちゃった・・・

しかし、この韓国製電子辞書、謎の機能が・・・
集中力、禁煙、ダイエット、蚊やゴキブリを撃退、ストレス解消、睡眠・・・

本当に効果あるのか?!

※説明書には、チックやてんかんを起こしたことのある人は使用を控えるようにとあります。

http://www.braincare.kr/

>そもそも耳が聞こえないからと言って喋れないとは限りません(誤解していたらスミマセン)が、仮にしゃべれないとしても、特定の人や状況で手話などの代替手段を使えないということになるのかも?~~

「お前の喋り方おかしいよ」と言われて喋れなくなっちゃう人もいるかもしれません・・・(とくに後天的な人の場合?)でも、その場合でも手話があるからなあ…手話って動きが伴うから不安児にはきついものなでしょうかね?

********

ところで、SMJの最新論文の荒木分類の部分を読んでいたのですが、
ASDスペクトラムの自閉的傾向と、分裂病質(あとは分裂気質)はどう違いを説明すればいいのだろうと悩んでしまいました。(自閉的傾向の場合は、思考・概念の偏りや統合の問題、社会的相互交渉の問題もかかわってくるだろうけど)

あと、かんもく児が示す破壊的な攻撃ってなんのことをさしているのかわかりません・・・反応がないから分裂気質と言うのも強引な気が・・・実際の内面は本人にしかわからないし。単純に回避的ということはないのだろうか・・・いや、でもスキツォイドもひとつの適応形式だから、不安から身を守る手段として内的空間を強化するということはありえるか・・・

内外で態度が変わらなければ「そもそも内向的性格」というのも、果たしてそう言い切れるのか・・・単純に不安症状が家庭内にまで広がってきているという見方もできないのだろうか・・・

それと、概念が変わっていくのなら、医者がアスペルガーなどと診断したからといって本当に「科学的に」ASDなのかもよくわからないよなあと感じてしまいました。(物理的な)原因が不明な以上、主観も交じってくるだろうし・・・テストと言ったって、偏りが出てくるし・・・(特に緘黙は特性上、自閉度高く出やすい気がする)

おもしろいと感じたのは、保育児には積極的依存が多いこと。
年齢が上がると性質も変わってくるのだろうか(これだけだとデータが少なすぎて何とも言えませんが)

新井ら分類で気になったのは、「拒絶」の定義がいまいちはっきりしないということ。回避を拒絶ととるのか、緘動などの状態を拒絶ととるのかで意味合いが変わってきそう。

""""""""""""""""
話変わって、いいもの見つけました!
bandhayogaというサイトの解剖学がリアルです。
特に気に入ったのが、呼吸時の筋肉の動きを3Dで見れるところ。
こういうのなかなか見つからなかったので面白く見てました。
他にないかなあ。

145
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146
Re: 分裂気質って?
> 「お前の喋り方おかしいよ」と言われて喋れなくなっちゃう人もいるかもしれません・・・(とくに後天的な人の場合?)

ここで私が言っているのは「能力」のことですが、心理的にはそうかもしれません。

> ところで、SMJの最新論文の荒木分類の部分を読んでいたのですが、

余計なお世話かもしれませんが、この言い方はトラブルを引き起こす恐れがあります。臼井なずな、高木潤野(2013)による論文はSMJと何ら関わりはないはずです。それとも、あるのでしょうか?(あったらぜひ教えてください!)

以下、関わりがないという前提でお話しします。もし、事情を知らない方が「SMJの最新論文の荒木分類の部分」なる表現を目にした場合、普通はSMJが論文を書いたんだなという認識をします。そして、もしも論文の内容に疑問があれば、SMJの管理人様に質問をぶつけることになり、迷惑がかかりますよ(SMJの管理人様が臼井なずなあるいは高木潤野と同一人物である場合はそれでもいいでしょう)。

「SMJのリンク先にある論文」などの表現を使った方がよろしいかと思います。

説教、失礼しましたm(_ _)m

> それと、概念が変わっていくのなら、医者がアスペルガーなどと診断したからといって本当に「科学的に」ASDなのかもよくわからないよなあと感じてしまいました。

科学というのを絶対視しているからそう感じるのかもしれません。科学、もっと広く言って概念も時代とともに変遷するものだという認識を私は持っています。

論文の詳細な感想、ありがとうございます。私はおおざっぱにしか見ていないので無責任なコメントは控えさせていただきます。


147
これは失礼しました
>ここで私が言っているのは「能力」のことですが、心理的にはそうかもしれません。

能力についても最初に書いていましたが、うまくまとめられずに、その部分を削除してしまいました。

>> ところで、SMJの最新論文の荒木分類の部分を読んでいたのですが、

>余計なお世話かもしれませんが、この言い方はトラブルを引き起こす恐れがあります。臼井なずな、高木潤野(2013)による論文はSMJと何ら関わりはないはずです。それとも、あるのでしょうか?(あったらぜひ教えてください!)

あ、本当だ! そういう書き方になっていますね。
これは訂正しないといけません!
ありがとうございます!

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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