世界乳幼児精神保健学会で日本人が選択性緘黙症の発表! | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

2008年8月1日~5日に横浜で開催された第11回世界乳幼児精神保健学会世界大会(World Association for Infant Mental Health:WAIMH)において、3名の日本人が選択性緘黙症に関する研究発表を行っていました。

会場はパシフィコ横浜(神奈川県横浜市西区みなとみらい)で、世界乳幼児精神保健学会世界大会がアジアで開催されたのはこれが初めてでした。

はなだひろこ(Hiroko Hanada)さんという方が『小児精神科医不在地域における選択性緘黙症の幼児と家族のケアの試みの検討(Examination of Care for a Young Child and Family with Selective Mutism in a. Community without a Pediatric Psychiatrist)』という研究発表をしました。

「はなだひろこ」は漢字で「花田裕子」なのかもしれません。というのも花田裕子さん(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科保健学)は乳幼児精神保健学会や日本うつ病学会で選択性緘黙症に関する研究発表を行ったことがあるからです。

以下がその証拠です。

高田沙織・永江誠治・花田裕子(2011). 選択性緘黙症と暴力傾向の強い子どもの地域における育て直しへの挑戦 乳幼児精神保健学会, 第14回学術集会岐阜大会, 26.

永江誠治・小澤寛樹・本田歩美・花田裕子(2012). 抑うつを併発した選択性緘黙の子どもに対する心理教育の実践 日本うつ病学会総会, 第7回学会石川大会.

第11回世界乳幼児精神保健学会世界大会(WAIMH)での花田裕子?さんの発表要旨を転載します。

ー転載(改行や行間の挿入は私の判断)ー

小児精神科医不在地域における選択性緘黙症の幼児と家族のケアの試みの検討

研究目的:小児精神科医不在地域における選択性緘黙症の幼児と家族のケアの実践の可能性について検討する

研究期間:2006年8月から2008年2月

結果および考察:4歳のIは幼稚園入園以来1年間一言も話さず、他の子どもと同じ行動がとれず立ち尽くして泣くなどがあり教諭が不安を感じて、両親に育児相談を勧めた。

Iちゃん一家の居住地域には小児精神科医がいないため、200キロ離れた病院の小児精神科医に通院することを両親と相談して同意をえて決める。

両親、特に母親は、育児相談を実施した看護師に、受診時に同席を強く希望する。

遠隔地の家族、主治医、看護師の役割として、看護師は、面接と電話によるペアレンティグを行い、その都度遠隔地の主治医に文章で報告する、受診時に、主治医が箱庭療法と育児指導を行うことを継続した。

母親が自身の子供時代、母親に障害があったこともありスキンシップが殆どなく、母親一人がしゃべっているような家庭であったこと、学校でも友人関係が乏しく一人で過ごすことが多かったことなどを語りだした。

この時期に一致するようにIちゃんは、受診時に看護師とお話しするようになる。Iちゃんの箱庭は、最初は防衛的な様相を示していたが、次第に解放的で明るくなるが特徴として「母と子」がテーマとなっていた。

遠隔地であっても、専門医の治療を受けることの必要性と遠隔地から通院することで家族として問題に取り組む姿勢が形成されたと考えられた。

ー転載終わりー

○さきたえみこ氏としばたつきこ氏の発表

花田裕子?さん以外にも「さきたえみこ(Emiko Sakita)」さんと「しばたつきこ(Tukiko Shibata)」さんというお名前の方々が「選択性緘黙児のネグレクト事例(case of a neglected child with selective mutism)」という発表を第11回世界乳幼児精神保健学会世界大会(WAIMH)で行っていました。

これは『孤立した子どもを守る軸としての保育活動』という題目のプレゼンテーションの内の1つで、もう1つは「身体に障害を持つ親子の2事例」というものでした。

日本人が世界的な学会で選択性緘黙症(場面緘黙症)に関する研究発表を行ったケースは今までほとんど聞いたことがありません。これからも海外との情報交換が活発になることを願う次第です。

参考URL(2013年10月17日現在)

第11回世界乳幼児精神保健学会世界大会(2008)Abstracts(アブストラクト)

http://www.waimh.org/Files/Congress/2008/WAIMH2008CongressAbstractsJapanese.pdf

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
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マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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