バーチャル世界、セカンドライフによる社交不安障害の治療 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
HOME   »   社交不安(障害)の治療法(最新の研究)  »  バーチャル世界、セカンドライフによる社交不安障害の治療

問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、アブストラクト(要旨)だけ読んだ、社会不安(障害)の治療法に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが、最新の研究成果です。

なぜ、社会不安なのかというと、場面緘黙症児は社会不安が高いか、もしくは社交不安障害(社会不安障害)を合併していることが多いという知見があるからです。

今回はバーチャルリアリティの世界、セカンドライフで社交不安障害を治療した研究です。

なお、社会不安以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

以下、宣伝という名の脱線。

『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』は私が今年(2013年)11月に新たに立ち上げたブログです。

「誕生日に死亡するリスクが通常の日より高い」、「統合失調症やダウン症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、ハンチントン舞踏病の患者は癌になりにくい」、「統合失調症は手で診断できる」などなど興味深い研究を根拠となる論文に言及しながら紹介しています。

↓参考記事

誕生日に死亡するリスクは通常より高い

癌になりにくい統合失調症、ダウン症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、ハンチントン舞踏病

統合失調症は手(掌紋、爪皮、指の関節)で診断できる

クリスマス前にはクリスマスに関する研究を紹介しようと思っています。

以上、宣伝(脱線)でした。本題に戻ります。社交不安障害の「セカンドライフセラピー」です。

Yuen, E. K., Herbert, J. D., Forman, E. M., Goetter, E. M., Comer, R., & Bradley, J. C. (2012). Treatment of social anxiety disorder using online virtual environments in Second Life. Behavior Therapy. 44(1), 51–61. doi:10.1016/j.beth.2012.06.001.

サウスカロライナ医科大学、ジョンソン退役軍人医学センター(ohnson Veterans Affairs Medical Center)、ドレクセル大学の合同研究です。

本研究によると、全般性社交不安障害の治療にセカンドライフ(Second Life)を用いると、社会不安、うつ、障害(disability)が減少し、QOL(生活の質)が改善するそうです。

セカンドライフとはインターネット上に構築されたバーチャル世界のことで、現実とは異なる第二の人生を楽しむことできます。開発、運営はリンデン・ラボ(Linden Lab)が行っています。

セカンドライフで受容に基づく行動療法(acceptance-based behavior therapy)を実践したのが本研究です。

1週間に1回の頻度で12セッションのセカンドライフによる受容的行動療法を行ったようです。

臨床家にも患者にも受けが良く、その効果は従来の対面での認知行動療法と同等でした。

ただ、技術的な問題が浮上することがあるのが難点とのことです。

社交不安障害の人の80%以上が治療を受けていないことが研究の背景にあります。インターネットならば、コストや時間を節約でき、他者評価を恐れず、スティグマの影響を受けにくいと考えられます。

スポンサードリンク

Comment

スポンサードリンク

Trackback
Comment form
カテゴリ
ランキング
Twitter
スマートフォンサイト
Amazon書籍
場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

リンクについて
このサイトはリンクフリーです。リンクの取り外しはご自由になさって下さい。個別ページのSNSでの共有やブログ、サイトへのリンクも自由です。
プライバシーポリシー
当ブログはGoogle Adsense広告を掲載しています。Google Adsenseでは広告の適切な配信のためにcookie(クッキー)を使用しています。ユーザーはcookieを無効にすることができます。

なお、Google Adsenseで上げた収益は将来のホームレス生活を見越し、すべて貯金にまわしています。
免責事項
ブログ記事の内容には万全の注意を払っていますが、管理人はその内容の正確さについて責任を負うものではありません。

PAGE TOP