緘黙研究の推移をグラフにしてみた(J-GLOBAL編) | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
HOME   »   緘黙文献数の推移をグラフ化  »  緘黙研究の推移をグラフにしてみた(J-GLOBAL編)

問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

以前、PubMedやCiNiiに収録された(場面)緘黙症をタイトルに含む文献数の推移をグラフにしました。

PubMedとは米国国立医学図書館(NLM)の国立生物工学情報センター(NCBI)が提供している学術文献専門のデータベースのことで、CiNiiとは国立情報学研究所(NII)が管理している、論文や書籍の書誌情報を集めた文献検索サービスのことです。

参考記事⇒緘黙研究の動向をグラフにしてみた(PubMed版)

参考記事⇒緘黙研究の推移をグラフにしてみた(CiNii版)

今回はJ-GLOBALで緘黙文献数の推移をグラフ化してみました。J-GLOBALとは科学技術振興機構(JST)が運営する、科学技術情報をつなぐサービスのことです。検索したい言葉を入れるだけで、研究者や文献、特許等様々な科学技術情報を入手することができます。

○方法

・検索方法:J-GLOBALにおいて緘黙をキーワードに検索しました。緘黙の他、別名・同義語の設定項目でかん黙、かん黙症、緘黙症を加えました。無言や無言症、発語不能症、その他英語表記は検索語に含めませんでした(脳損傷等を伴う緘黙症が多いと判断したため)。検索対象は「文献」に限定しました。

具体的な検索条件の設定方法⇒http://jglobal.jst.go.jp/search.php#%7B%22keyword%22%3A%22%E7%B7%98%E9%BB%99%22%2C%22synonym%22%3A%7B%22term%40%3A%E7%B7%98%E9%BB%99%22%3A%5B%22%E3%81%8B%E3%82%93%E9%BB%99%22%2C%22%E3%81%8B%E3%82%93%E9%BB%99%E7%97%87%22%2C%22%E7%B7%98%E9%BB%99%E7%97%87%22%5D%7D%2C%22category%22%3A2%2C%22order%22%3A%22down%22%2C%22limit%22%3A100%2C%22page%22%3A1%2C%22words%22%3A%5B%5D%7D

・組み入れ基準と除外基準:右側の発行年を参考に、ヒットした文献を目視で年度別に数え上げました。英語文献が1つ混在していましたが、それは除外しました。

↓除外した英語文献
Stein, M. B., Yang, B. Z., Chavira, D. A., Hitchcock, C. A., Sung, S. C., Shipon-Blum, E., & Gelernter, J. (2011). A common genetic variant in the neurexin superfamily member CNTNAP2 is associated with increased risk for selective mutism and social anxiety-related traits. Biological Psychiatry, 69(9), 825-831. doi:10.1016/j.biopsych.2010.11.008.

○結果

↓グラフはサムネイル表示です。鮮明で大きな画像をご覧になりたい方はクリックしてください。
場面緘黙症に関する論文数の推移(J-GLOBAL)
*1982年以前は0件でした。

通常の科学論文ならば、グラフの視覚的傾向を文字に書き起こして、さらに統計的分析をほどこすところですが、今回はそこまではしません。

○考察とコメント

一見すると、緘黙症に関する文献は増加しているように見えますが、これは縦軸の単位が小さいためなのかもしれず、統計的分析が必要です。

緘黙グラフには限界があります。グラフの限界に関しては必ず以前の記事(PubMedの緘黙グラフに関する記事)をご覧ください。

今回はこれらの限界に加えてCiNiiとの重複にも気をつける必要があります。分かりやすい例でいうと、長野大学の高木潤野講師らの以下の緘黙文献が重なっています(個人的には有名?な緘黙研究者ばかりに注目すると、情報や判断が偏ってしまうので、こういうのはあまり好きではありません。しかし、分かりやすいので高木潤野・臼井なずなの論文をあげました)。

臼井なずな・高木潤野 (2013). 緘黙の類型化に関する研究―従来指摘されてきた2つの分類からの検討― 長野大学紀要 34(3), 1-9. Permalink:http://id.nii.ac.jp/1025/00001052/.

高木潤野 (2013). 緘黙の類型化に関する研究-家庭でもあまり発話のない1事例の考察をとおして- 長野大学紀要, 35(1), 7-16. Permalink:http://id.nii.ac.jp/1025/00001069/.

実はJ-GLOBALの左下には「発行年:時系列グラフ」という項目があり、そこをクリックすればわざわざ自分でグラフを作成しなくても文献数の推移が視覚的に分かります。しかし、棒グラフで分かりづらいため、折れ線グラフを作成してみました。

J-GLOBALの管理主、科学技術振興機構(JST)が運営するJ-GLOBAL foresightの分析ツールβ版でもグラフを表示できますが、間近10年間の推移しか表示してくれません。

○参考URL(2014年5月5日現在)

J-GLOBAL foresight 分析ツールβ版
http://foresight.jst.go.jp/analyzer/

スポンサードリンク

Comment

スポンサードリンク

Trackback
Comment form
カテゴリ
ランキング
Twitter
スマートフォンサイト
Amazon書籍
場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

リンクについて
このサイトはリンクフリーです。リンクの取り外しはご自由になさって下さい。個別ページのSNSでの共有やブログ、サイトへのリンクも自由です。
プライバシーポリシー
当ブログはGoogle Adsense広告を掲載しています。Google Adsenseでは広告の適切な配信のためにcookie(クッキー)を使用しています。ユーザーはcookieを無効にすることができます。

なお、Google Adsenseで上げた収益は将来のホームレス生活を見越し、すべて貯金にまわしています。
免責事項
ブログ記事の内容には万全の注意を払っていますが、管理人はその内容の正確さについて責任を負うものではありません。

PAGE TOP