社会不安障害患者に音楽の幸福感を認識する訓練 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、アブストラクト(要旨)だけ読んだ、社会不安(障害)の治療法に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが、最新の研究成果です。

なぜ、社会不安なのかというと、場面緘黙症児は社会不安が高いか、もしくは社会不安障害(社交不安障害)を合併していることが多いという知見があるからです。

今回は社会不安障害患者が音楽の幸福感を認識する訓練を受けると、話し言葉の幸福感を認識する能力が高まるという研究です。

なお、社会不安以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

心理学的に面白いのは「謝罪の拒否は自尊心を高める」という記事でしょうか。

参考記事⇒謝罪の拒否は自尊心を高める

Bodner, E., Aharoni, R., & Iancu, I. (2012). The Effect of Training with Music on Happiness Recognition in Social Anxiety Disorder. Journal of Psychopathology & Behavioral Assessment, 34(4), 458-466. DOI:10.1007/s10862-012-9304-7.

バル=イラン大学、テルアヴィヴ大学、ヤブネメンタルヘルスクリニックの合同研究です。

○背景

社会不安障害の情動認識にはネガティブなバイアスがかかっています。

参考記事⇒怒りの顔文字に過剰反応する社交不安障害

したがって、社会不安障害のバイアスを修正すれば、症状の改善が促されるかもしれません。

○方法

中程度の社会不安障害患者41名と健康人39名が研究に協力しました。

社会不安障害患者の半数と健康人の半数に即興音楽の幸福感(happiness)を認識する訓練を受けさせました。その効果を話し言葉の情動(幸福感・恐怖・怒り・悲しみ・驚き)を認識する能力で検証しました。

○結果

健常対照群と比較して社会不安障害群は、話し言葉に含まれる幸福感を認識するのが苦手でした。しかし、音楽の幸福度を認識する訓練を受けた社会不安障害群は女性の話し声の幸福感を認識する能力が高まり、健常者と同じレベルに達しました。

あくまでも、声の幸福感を認識する能力を高めただけであって、社会不安障害の症状を寛解させたわけではないことに注意しなければなりません。しかし、音楽という身近な素材を使っての訓練が話し声の情動認識力にまで影響するという意味で興味深い研究です。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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