シャイな子どもは皮肉の意地悪さを強く感じる | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、アブストラクト(要旨)だけ読んだ、シャイネスに関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが、最新の研究成果です。

なぜ、シャイネスなのかというと、場面緘黙症児は社会不安が高いか、もしくは社交不安障害(社会不安障害)を合併していることが多いという知見がある一方で、シャイネスとの関係も見逃せないからです。

たとえば、Sharkey & McNicholas(2012)では場面緘黙児の内、社会恐怖症や分離不安障害など重篤な不安を示したのは21%だったのに対し、緘黙児のどちらか片方の「親」がシャイであると自己申告したのが100%でした(ただし、シャイネスレベルは質的な調査で量的なものではない)。

Sharkey & McNicholas(2012)⇒自閉症持ちの第一度近親者がいる場面緘黙児が約半数(愛)

*注意:シャイネスと社会不安は違う概念です。脳科学(神経科学)的にもシャイネスと社会不安は違うと主張する研究論文もあります。

参考記事⇒シャイネスと社会不安の違いは脳構造と脳活動にも表れている

今回はシャイな子どもは皮肉の意地悪さを高く感じるという研究です。

なお、シャイネス以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

Mewhort‐Buist, T. A., & Nilsen, E. S. (2012). What Are You Really Saying? Associations between Shyness and Verbal Irony Comprehension. Infant & Child Development, 22(2), 180–197. DOI:10.1002/icd.1769.

カナダのウォータールー大学心理学部の研究です。

○実験手続き

8~12歳の子どもが被験者として参加しました(99人)。

子どもには、とある物語を聞かせました。

物語では登場人物が文字通り(いや、話し言葉通り)の批判、皮肉による批判、話し言葉通りの賛辞、皮肉による賛辞のどれかを言いました。

子どもには話し手のコミュニケーションの意図や信念を回答させました。

○実験結果とコメント

その結果、シャイネスは皮肉の理解度と関連しませんでした。しかし、シャイな子は話し手の皮肉の意地悪さ(meanness)を高く感じました。

そもそも皮肉とは言外の意味と字義どおりの意味の矛盾を利用する言語スキルです。矛盾を解釈する以上、皮肉には言語的曖昧さが含まれています。

一方、シャイな子どもは曖昧な刺激を脅威に感じ、社会的コンテキストでmentalizing(他者の心理を想像、推測し、理解する能力)に困難を感じます(実際にそうなのかどうかは私は知りませんが、アブストラクトにはそう書いてあります)。

ゆえにシャイな子が皮肉という曖昧刺激の意地悪さを高く感じても不思議ではありません。

ただし、アブストラクトによれば、シャイネスの評価はシャイなネガティブ感情だけでなく、社会不安の症状も加味したそうです(どちらも自己報告形式)。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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