場面緘黙症にホースセラピー(日本) | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

麗澤大学のホームページに「ホースセラピーを終えて~2011 年度のまとめ~」という報告書があります。内容はホースセラピーの体験およびそこから学んだことですが、場面緘黙症の真奈さんが登場します。

*認知のばらつきがある加奈さんも登場します。

麗澤大学とは千葉県柏市光ヶ丘2-1-1にある私立大学のことです。執筆者は西田光子さんで、麗澤大学の学生なのかそれとも真奈さんの親御さんや加奈さんの親御さんが筆を執っているのか確かなことは分かりません。ただ、真奈、加奈などと呼び捨てにしていること等から執筆者の西田光子さんは親御さんだと思われます。ただし、学生兼親という可能性もあります。

ホースセラピーとはセラピー馬に乗って心身をリラックスさせたり、筋肉トレーニングや腰痛の予防等を目的に行う乗馬のことです。NPO法人ホース・フレンズ事務局のHPによれば、ホースセラピーは「ドイツやスイスでは、健康保険が適用されているほど、欧米では乗馬療法として古代ギリシャの時代から長い歴史を持っています」。

○場面緘黙の早期診断ができた事例

報告書に登場する真奈さんは「3歳の時から場面緘黙という診断」を受けていたそうです。もしこれが事実ならば、特筆すべき事例です。というのも、通常場面緘黙の症状がでてから、診断を受けるまでにタイムラグがあるといわれているからです。具体的にいうと、緘黙を発症したのが幼稚園・保育園ぐらいの年齢なのに、診断を受けるのが小学校に入ってからという事例があるとされています。真奈さんのように早期診断ができるケースが今後増えていくのかどうか注目に値します。

○緘黙→不登校(小学校)→中学校入学を機にホースセラピー

真奈さんは3歳の時からの緘黙が継続し、「学校に入ると不安と緊張が身体の動きさえ抑制し始め、不登校にな」りました。小学校ではうつ状態に陥ることもありました。

しかし、中学校入学を機に、新しい環境で頑張るなかでホースセラピーを開始しました。その結果かどうかは分かりませんが、人前で声を出す、電話での会話、1人での登下校、自己表現などで進展がありました。

○ホースセラピーの具体的効果?-緘黙の回復

「ホースセラピーで、初めて声を出して、しかも大勢のボランティア様の前でも、挨拶ができ」ました。それに伴い、学校で友人に話しかけられても小さな声ならだせるようになり、電話で祖母と少し会話ができるようになりました。

以前は親の付き添いでしか行けなかった中学校への登下校も徒歩で1人でできるようになりました。それだけでなく、歩行時の姿勢に関して「今までの背中を丸めて下を向いておどおどと歩く様子」が「まっすぐ前を向いて大きく歩幅をとってさっさと歩くという姿となって、登下校のときも大変早く歩くようになりました」。身体が固まっていた学校の体育の授業でも、「次第に手足を伸ばすことができるようになりました」。

家庭生活でも変化があったらしく、「家の手伝いを気持ちよくしてくれることが多くなり、自分の気持ちを表現することも増えました」。

ただ、これらがホースセラピーの効果かどうかは分かりません。特に家の手伝いや中学校への登下校などは時間が経って成長するだけでも改善する可能性があるからです。

○海外でのアニマルセラピー

馬ではありませんが、海外ではEdward Wrightというお名前の男の子がロバに乗って場面緘黙症を克服したというニュースが英国タブロイド紙のデイリー・エクスプレスオンライン版に掲載されています(2009年9月8日現地時間)。以下がその記事です。

Donkeys helped me find my voice Express(2014年3月1日現在)
http://www.express.co.uk/life-style/health/125728/Donkeys-helped-me-find-my-voice

この男の子は中耳炎の治療後も緘黙症が治らず、紆余曲折がありましたが、最終的にロバセラピーが効いたようです。

その他にも、ローカン・ディロン(Lorcan Dillon)というお名前の少年が場面緘黙症を克服し、その猫がCats Protection UK's National Cat Awards 2012のNational Cat of the Yearに選ばれたというお話があります。Cats Protection's National Cat AwardsとはCat's Protection Awardsとも呼ばれ、猫の交友性や勇敢さ、サバイバル性を示す実際にあった話を表彰する英国で最も大きな賞の1つです。猫の名前はジェシーでJessi-Catなどと呼ばれています。 

この猫のお話がオンライン版の英国の新聞、ガーディアン、デイリー・メール、デイリー・ミラー、デイリー・エクスプレスや米国のインターネット新聞であるハフィントン・ポストに掲載され、英国の公共放送局、BBCにも動画付の記事がアップされました。それだけでなく、日本のニュースサイトのナリナリドットコムに『感情表現避ける少年癒やす猫、家族にも言えなかった「大好き」とも。』というタイトルで記事が掲載され、エキサイトニュースにも転載されました。

Jessi-cat: The Cat That Unlocked a Boy's Heartまた、母親のジェイン・ディロン(Jayne Dillon)さんが本を出版したという記事が英国のデイリー・テレグラフオンライン版の記事に掲載されました。「Jessi-cat: The Cat That Unlocked a Boy's Heart」(Michael Omara出版社)という題名の本です。彼女は動画投稿サイトYouTubeに猫の動画を公開しています(猫以外もあり)。

猫の動画⇒http://www.youtube.com/user/MissPankhurst?feature=watch

ただ、ローカン・ディロン君はアスペルガー症候群だったとか自閉症スペクトラム障害であるという話しも聞きます。異父兄弟がアスペルガー症候群でもあります。

○引用URL(2014年2月24日現在)

ホースセラピーってなに? NPO法人 ホース・フレンズ事務局
http://www.horse-friends.org/therapy.html

ホースセラピーを終えて ~2011 年度のまとめ~ 西田光子
http://www.reitaku-u.ac.jp/ja/wp-content/themes/reitaku-jp/uploads/2012/02/23b37e2bc931e3ba7ea553bcfbafbe141.pdf

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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