寒冷昇圧試験で視線を向けられている感覚が強まる | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、アブストラクト(要旨)だけ読んだ、不安(障害)に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが、最新の研究成果です。

*ただし、今回は不安との関係を直接調べた研究ではありません。しかし、社会不安が高いと逸れた視線を直視と感じやすいという研究社会不安が高い男性は直視を感じる範囲が広いという研究、そしてなによりも社会不安障害患者は認知行動療法(CBT)で視線を感じる範囲が狭まるという研究があるので、本ブログでも取り上げたいと思います。

今回は冷たい氷水に手を浸す寒冷昇圧試験で他者から見られているという感覚が強まるというお話です。

なお、不安(障害)以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

最近の記事⇒笑い声でうつ病を診断できる

Rimmele, U., & Lobmaier, J. S. (2012). Stress increases the feeling of being looked at. Psychoneuroendocrinology, 37(2), 292-298. doi:10.1016/j.psyneuen.2011.06.013.

米国のニューヨーク大学心理学部とスイスのベルン大学心理学研究所の研究者が行った実験です。

○実験手続き

健康な49人の大人が実験に参加しました。その内、25人が寒冷昇圧試験(cold pressure stress test:CPS試験)群に、24人が統制群に割り当てられました。

*寒冷昇圧試験とは手を氷水に入れて身体的負荷をかける手続きのことです。氷水の温度を4℃にして、1分間手を浸す手続きを踏むことが多いようです。医学分野では氷水に浸した時の血圧の変化などで高血圧症等の指標としているようです。

用いた顔刺激の表情は幸福、恐怖、怒り、中性表情の4種類でした。真正面から顔を撮影した刺激以外に左右それぞれについて、2°、4°、6°、8°逸れたアングルから撮った写真も用意しました。顔の呈示時間は700ミリ秒でした。

被験者にはそれぞれの顔刺激が自分に視線を向けているか判断してもらいました。

○実験結果

寒冷昇圧試験群は逸れた視線が自分に向けられているという感覚が強くなりました(統制群との比較)。表情の影響はありませんでした。

○コメント

研究チームは寒冷昇圧試験によってコルチゾールというストレスホルモンの分泌が増加し、他者からの視線を感じやすくなったと考察しています。

もしかしたら、場面緘黙症の人は喋ることができる環境では見られている感覚が弱くて、喋れない環境で見られているような感じを強く持つかもしれないと感じました(実験しようとしないくせに、無責任なコメントですね)。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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