愛着不安が高い人は他者に援助を求めるのが早い | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、アブストラクトとイギリス心理学会(BPS)の研究紹介ブログ記事(British Psychological Society's Research Digest)を読んだ、不安(障害)に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが、最新の研究成果です。ただし、今回は愛着(アタッチメント)不安型に関する研究です。

なぜ、愛着不安なのかというと、場面緘黙症の研究で愛着を調べた論文があるからです。


今回は愛着不安が高い人は様々な障壁を乗り越えて他者に援助を求めるのが早いというお話です。

なお、愛着不安以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

最近の記事⇒自力で起床出来る人は30分前から右前頭前野が活動している

↑自力で起床できる人とできない人とで、起きる30分前から脳活動が違うとは…。驚きです。

Ein‐Dor, T., & Tal, O. (2012). Scared saviors: Evidence that people high in attachment anxiety are more effective in alerting others to threat. European Journal of Social Psychology, 42(6), 667-671. DOI:10.1002/ejsp.1895.

○実験の目的

社会的防衛理論(social defense theory) による予測の検証(ここでは、愛着不安が高い人が他者に援助を求めるのが早いことで、集団適応能力が高まるかどうかの検証)。

ここでの社会的防衛理論とは愛着安定型の人だけでなく、愛着不安定型や愛着回避型、愛着不安型の人も集団の中にいる方が集団としての適応能力が高いという心理学理論のことです。

○実験手続き

80人の大学生が実験に協力しました。

被験者がスクリーン上に表示される絵画を評価している間に、そのコンピュータがウィルスに感染し、ハードディスクドライブもやられているように被験者に見せかけました。それから、コンピュータ技術者に連絡してくるよう被験者にお願いしました。

その途中、廊下に調査への協力を求めてくる人がいたり、とある人物が写真複写を求めてきたり、助けを求めるべき人の部屋に「Wait(待ちなさい)」という札が掲げられていたり、床に多数の紙を落とす人が出現しました。これは技術者への連絡を遅らせるかどうかの判断を迫られる場面です。

○実験結果

愛着不安が高い人はそうでない人よりもコンピュータ技術者への連絡を遅らせようとはしませんでした。つまり、調査に協力せず、写真複写を拒否し、ドアの表札通りに待たず、多くの紙を落とした人を助けなかったのです。この結果は愛着回避、外向性、神経質傾向を統制しても変わりませんでした。

関連記事⇒愛着不安・愛着回避が高い人は集団の危険探知・逃避を早める

関連記事⇒愛着不安が高い人は嘘を見破ることとポーカーが得意

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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