(臨床)心理学、精神医学、神経科学のツイートベスト10+おまけ | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

2014年8月中旬~下旬にかけて私のTwitterでフォロワー数が1,000人を突破しました。Twitterを始めた当初は社会的ネットワークがほとんど皆無の私がここまでのフォロワー数を獲得するとは思いもしませんでした。特に進化心理学者・社会心理学者の森本裕子さん(総合研究大学院大学)がRTしてくださったおかげでフォロワー数が増加し始めた感触があります。彼女だけでなく、とある精神科医の方がRTしてくださると、フォロワー数が伸びていきました。もちろんそれ以外の方々にもRTされ、現在に至っています。本当にありがとうございます。そこで、私のツイートベスト10+おまけを発表します(2014年9月6日現在)。

ツイートランキングの判断基準はリツイート数(RT数)とお気に入り登録数(FAV数)で、その統計はhttp://ja.favstar.fm/users/uranus_2によります。Favstar(http://ja.favstar.fm/)は自分のベストツイートを簡単に発見できるサイトです。Favstarではベストツイート以外にも最もRTされたツイートや最もFavされたツイートを無料で調べることが可能です。

私のツイートへのリンクも貼っておきますが、Favstarと私のツイートとでは統計の集計期間(+統計方法?)が異なりますから、値が違います。Twitterは字数制限があるため、ツイートよりも本ブログ記事の方が詳しく、正確な記述となっています。また、私は論文アブストラクト(要約)しか読んでいません。

●第1位:見かけ上の相関(擬似相関:spurious correlation)を集めたサイト、「spurious correlations Discover a new correlation(URL:http://tylervigen.com/)」の紹介(リツイート数322:お気に入り登録数412)

https://twitter.com/uranus_2/status/464963778384113664

●第2位:虐待、暴力的な家庭を背景として育った子供は認知機能が低いと考えられてきた。しかし、これらは標準化された知能検査や言語検査、記憶テスト、抑制検査で計測した場合。実は危険性等、彼らに合った(生態学的に妥当な)認知テスト(探知・学習・記憶・推論の検査)では成績が良くなる。ゆえに、認知機能の低下は障害ではなく、適応である(リツイート数34:お気に入り登録数62)。

https://twitter.com/uranus_2/status/385172945682710528

原著論文:Frankenhuis, W. E., & de Weerth, C. (2013). Does Early-Life Exposure to Stress Shape or Impair Cognition?. Current Directions in Psychological Science, 22(5), 407-412. doi:10.1177/0963721413484324.

●第3位:アメリカ人は社会的地位が低い人の方が怒るが、日本人は社会的地位が高い人の方が怒る。前者はフラストレーション、後者は意思決定の権威に媒介される。アメリカ人の怒りは主観的な社会的地位で、日本人の怒りは客観的な社会的地位で予測可能(リツイート数39:お気に入り登録数49)。

https://twitter.com/uranus_2/status/389538626444349440

原著論文:Park, J., Kitayama, S., Markus, H. R., Coe, C. L., Miyamoto, Y., Karasawa, M., Curhan, K. B., Love, G. D., Kawakami, N., Boylan, J. M., & Ryff, C. D. (2013). Social status and anger expression: The cultural moderation hypothesis. Emotion, 13(6), 1122-1131. doi:10.1037/a0034273.

●第4位:社会心理学者のアッシュが行った同調実験を自閉症児と健常発達児に実施した研究。結果は自閉症児は同調圧力に屈しないというものだった。健常発達児でも自閉症指数が高いほど他者からの同調圧力に強靭。自閉症指数は自閉症指数質問紙(Autism Quotient questionnaire:AQ)で評価。*日本語のネット上では自閉症指数質問紙よりも自閉症スペクトラム指数(Autism-Spectrum Quotient:AQ)の方がヒットする(リツイート数31:お気に入り登録数43)。

https://twitter.com/uranus_2/status/392841061157961728

原著論文:Yafai, A. F., Verrier, D., & Reidy, L. (in press). Social conformity and autism spectrum disorder: A child-friendly take on a classic study. Autism, doi:10.1177/1362361313508023.

●第5位:アジア系アメリカ人と白人を幼稚園から高校まで追跡して学業成績を調査、比較。アジア系アメリカ人の方が成績が良いのは努力のためであって、頭が良いとか社会人口学的要因によるものではない。アジア系アメリカ人と白人の勉強努力の差は努力と結果の関連性に間する文化的信念や移民の地位の違いによって説明可能(リツイート数21:お気に入り登録数45)。

https://twitter.com/uranus_2/status/463445701372825600

原著論文:Hsin, A., & Xie, Y. (2014). Explaining Asian Americans’ academic advantage over whites. Proceedings of the National Academy of Sciences, 111(23), 8416–8421. doi:10.1073/pnas.1406402111.

●第6位:学力試験(achievement tests)とは違って、学校の成績(school marks)では男子学生より女子学生の方が得点が高い。実際に小学生から大学院生までの学校成績に関する研究をメタ解析したところ、女子生徒の方が成績が良い結果となった。特に言語系の科目で女性優位。数学でも効果量は最小だが女性の方が優秀(リツイート数30:お気に入り登録数36)。

https://twitter.com/uranus_2/status/461295961097007104

原著論文:Voyer, D., & Voyer, S. D. (2014). Gender differences in scholastic achievement: A meta-analysis. Psychological Bulletin, 140(4), 1174-1204. doi:10.1037/a0036620.

●第7位:兄弟の間で比較すると、出産時の父親の年齢が20~24歳の場合と比較して、45歳以上の父親のもとに生まれてきた子どもは自閉症リスクが3.45倍、AD/HDリスクが13.13倍、psychosisリスクが2.07倍、双極性障害リスクが24.70倍、自殺企図リスクが2.72倍、物質使用問題リスクが2.44倍、落第リスクが1.59倍、学歴(educational attainment)が低くなるリスクが1.70倍(リツイート数27:お気に入り登録数36)。

*psychosisとは妄想や幻覚などが現れる精神的症状のことです。psychosisは精神病とも呼ばれます。一般に父親の高齢がリスクとなるのは精子の老化が原因だとされています(もちろんそれ以外の理由もあるかもしれませんし、父親の年齢が高い方が有利なものもあると考えられます)。

なお、この論文のアブストラクトは物議を醸しました。兄弟間の比較は様々な共変量を統制した仮想上の話で実際にはもっとリスクが低いと主張する論者もいます。彼らによれば45歳以上の父親が子供にもたらす実際のリスクは自閉症が1.5倍、精神病性障害(psychotic disorder)が1.3倍、双極性障害が1.5倍です(父親の年齢が20~24歳の場合との比較)。AD/HDは0.7倍、自殺行動は0.9倍、物質使用問題は0.8倍、落第は0.7倍、低い学歴は0.9倍、知能指数(IQ)の低さは0.8倍で父親が高齢の方がリスクが低いと主張しています。子供の教育水準も父親が45歳以上の方が1.5倍高くなると主張しています。

https://twitter.com/uranus_2/status/438851891070394368

原著論文:D’Onofrio, B. M., Rickert, M. E., Frans, E., Kuja-Halkola, R., Almqvist, C., Sjölander, A., Larsson, H., & Lichtenstein, P. (2014). Paternal age at childbearing and offspring psychiatric and academic morbidity. JAMA Psychiatry, 71(4), 432-438. doi: 0.1001/jamapsychiatry.2013.4525.

●第8位:おしっこのfMRI実験。小便開始の最終局面で上脊髄が興奮する。しかし、小便の最中では活動が低い。おしっこの開始は脳幹(中脳水道周囲灰白質・橋)、島皮質、視床、前頭前皮質、頭頂弁蓋部、帯状皮質の活動や前脳-頭頂弁蓋部の結合を高める。おしっこができなかった人は小便開始時の脳活動が低く、特に前脳や脳幹の活動が皆無である(リツイート数25:お気に入り登録数35)。

https://twitter.com/uranus_2/status/483042153522675712

原著論文:Michels, L., Blok, B. F., Gregorini, F., Kurz, M., Schurch, B., Kessler, T. M., Kollias, S., & Mehnert, U. (in press). Supraspinal Control of Urine Storage and Micturition in Men—An fMRI Study. Cerebral Cortex, doi:10.1093/cercor/bhu140.

●第9位:社会科学では変数間の関係を調べようと質問紙調査などでデータを集める。しかし、変数間の関係は調査項目の意味的類似性から事前に予測できる。ただし、性格検査の予測はできない(リツイート数21:お気に入り登録数35)。

https://twitter.com/uranus_2/status/507750002777542657

原著論文: Arnulf, J. K., Larsen, K. R., Martinsen, Ø. L, & Bong, C. H. (2014). Predicting Survey Responses: How and Why Semantics Shape Survey Statistics on Organizational Behaviour. PLoS ONE, 9(9): e106361. doi:10.1371/journal.pone.0106361.

●第10位:以前経験したことのない新しい、身体表現を使ったメタファーを学習すると、現在の身体化された認知に修正が加わる。身体化された認知は学習できるのだ(リツイート数12:お気に入り登録数44)。

*身体化された認知(embodied cognition)とは身体が思考・感情・脳に影響を及ぼしているという考えのことです。

https://twitter.com/uranus_2/status/435335842861576192

原著論文:Slepian, M. L., & Ambady, N. (2014). Simulating sensorimotor metaphors: Novel metaphors influence embodied cognition. Cognition, 130(3), 309-314. DOI:10.1016/j.cognition.2013.11.006.

トップテンが発表された時には11位にも目を配るのが私という人間です。これは10位と11位の差が僅差だったら、その順位づけにはほとんど意味がないという理由からです(注:これは10位と11位以外にも当てはまります)。したがって、11位について書いておきます。

●おまけ:第11位:有名人の自殺報道を見聞きしたうつ病患者438人の内、38.8%がメディアの報道が自殺行動に影響したと報告(内24人、つまり5.5%は自殺企図歴有り)。有名人の自殺をメディアで知る前にうつ病の症状が重篤だった人では影響が大きく、自殺行動リスクが7.81倍になる(95%信頼区間は3.28-18.59)。メディアの有名人自殺報道がされる前の1か月間に自殺企図をしたことのある人でも影響が大きく、報道で自殺企図リスクは11.91倍(95%信頼区間は3.76-37.72)になる(リツイート数33:お気に入り登録数23)。

https://twitter.com/uranus_2/status/254500739479650304

原著論文:Cheng, A. T., Hawton, K., Chen, T. H., Yen, A. M., Chang, J. C., Chong, M. Y., Liu, C. Y., Lee, Y., Teng, P. R., & Chen, L. C. (2007). The influence of media reporting of a celebrity suicide on suicidal behavior in patients with a history of depressive disorder. Journal of Affective Disorders, 103(1), 69-75. DOI:10.1016/j.jad.2007.01.021.

これは私の別のブログ『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』でも記事にしました。その記事がこれです⇒有名人の自殺報道はうつ病患者の自殺リスクを高める

第9位のツイートは2014年9月5日のもので、社会心理学者などの研究者にRTされたため、急遽順位が変更されました。私もこの論文が科学雑誌『プラスワン』に掲載されたのを発見した時は吃驚しました。だって、社会科学的調査をする前にあらかじ結果を予測できるんですから。

ちなみに第9位の論文により蹴落とされたツイートの原著論文の内容:心理学論文で引用されやすいのはタイトルが短いものであるが、これは科学ジャーナルのインパクトファクター(IF;impact factor)によって媒介されている。論文タイトルが面白いとダウンロード数が少し多いが、引用数とは関係しない。ダウンロード数と引用数は正の相関で、面白いタイトルは短い(リツイート数12:お気に入り登録数43)⇒https://twitter.com/uranus_2/status/404061746387628034

原著論文:Subotic, S., & Mukherjee, B. (2014). Short and amusing: The relationship between title characteristics, downloads, and citations in psychology articles. Journal of Information Science, 40(1), 115-124. doi:10.1177/0165551513511393.

○場面緘黙症のツイートはどうした?

あれれ?場面緘黙症(選択性緘黙症)のツイートはどうしたのさ。場面緘黙症に関するツイートもしてるのに…(悲)。確かに、臨床心理士や精神科医、心理学者(の卵)が私の緘黙ツイートをRTしてくださったり、お気に入り登録してくださることはありますが、全然ランクインしていませんね。また、緘黙経験者も私の緘黙ツイートをRT・お気に入り登録してくださることは少ないような印象です。

*場面緘黙症とは学校など特定の場面で話せないのに、家などでは話せる症状のことを言います。

緘黙という文字を入れた私のツイートで最上位はこれでしょうかね(原典となる論文はレビューもので、その内容は近い将来、1事例の研究で効果量やマルチレベルモデル、ベイズ解析等の統計的分析手法が使えるようになると論じている)⇒https://twitter.com/uranus_2/status/451882834462928896(リツイート数8:お気に入り登録数24)。


原著論文:Shadish, W. R. (2014). Statistical Analyses of Single-Case Designs The Shape of Things to Come. Current Directions in Psychological Science, 23(2), 139-146. doi:10.1177/0963721414524773.

ただし、私のツイートから場面緘黙症を認識した、または認識し直したという心理学や脳科学の専門家、吃音の研究者(の卵)がいらっしゃいます。また、私をフォローしてくださっている大学教員や発達障害の研究者が場面緘黙症状がある人と接触する機会が過去にあったり、できたりすることもあるようです。しかし、それでも緘黙の注目度は低いような感じがします。

参考記事⇒私のTwitterで心理学者、神経科学者が緘黙症を認知

なお、トップテン+α以外の私のツイートは『心理学、脳科学の最新研究ニュース』や『Twilog(ついろぐ)のマーキュリー2世アカウント』で読めます。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

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Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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