東京大学が緘黙者を障害者雇用プロジェクトに起用 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

東京大学先端科学技術研究センター(RCAST:Reserch Center for Advanced Science and Technology)の「先導的障害者雇用推進プロジェクト(先導的障害者雇用促進プロジェクト)」に緘黙の人が参加しました。東京大学先端科学技術研究センターが発行する広報誌『RCAST News』(2014年5月16日発行第2号通巻87号)に掲載されています。

○先導的障害者雇用推進プロジェクトとは何ぞや?

この障害者雇用プロジェクトを主導しているのは東京大学の近藤武夫准教授(人間支援工学)と中邑賢龍教授(人間支援工学)です。2012年4月から始りました(5年間継続予定)。

近藤准教授・中邑教授らによる本プロジェクトでは個別のニーズに合わせた就労形態を模索しています。たとえば、障害者を東京大学で常勤の職員として雇ったり、他プロジェクトの補助業務を担うスタッフとして雇用したりしています。仕事内容は「読み書き障害のある児童・生徒らのための教科書のデジタル化や研究補助、事務作業、学会等のイベント補助など」です。在宅勤務、短時間労働などフレキシブルな勤務体制も可能です。給料は時給制です。

また、近藤准教授は企業が障害者に対する理解を深めるための教育プログラムを開発しています。

○先導的障害者雇用推進プロジェクトに参加した緘黙者

広報誌において、近藤准教授は緘黙の男性と働いた経験を告白しています。緘黙者から返事や報告がないので最初の内は困った、しかし仕事はきちんとできているし、今は信頼しているという内容です。このことから近藤准教授は口頭での対応ができることを常識とする現代の職場では緘黙人が入社面接で適切に評価されないと考察しています。そして、面接そのものよりも実際の職業パフォーマンスによって評価される選択肢も考慮されるべきだと主張しています。

近藤准教授のコメントは面接を突破できない緘黙人の社会参加の機会を声での応答を求めることを当然とすることで奪ってよいものか、考えさせられます。ただ、この緘黙者が発達障害(自閉症スペクトラム障害・アスペルガー症候群等)や知的障害を持っていたかどうかは分かりません。

関連記事⇒自閉症の人向けの就職支援が始まる。だが、緘黙は…

*広報誌『RCAST News』には近藤准教授のプロジェクトや彼の緘黙人との体験談だけでなく、渋滞学者の西成活裕教授と広報委員長の神崎亮平教授による対談等が掲載されています。

なお、近藤准教授は読売新聞の教育ルネサンス「発達障害を支える」シリーズの第1回目「パソコン使用 入試で配慮」にも登場されています。内容は鳥取大学が発達障害者に対して入試でのパソコン使用を認めた事例を主とするものです。なお、大学入試センター試験でも発達障害の人への特別措置がある程度は認められています。「発達障害を支える」シリーズの第5回『働く体験通じ「適職」知る』にも近藤准教授のコメントが掲載されています。

読売新聞の教育ルネサンス「発達障害を支える」シリーズの第2回「同じ悩みの仲間と雑談会」と第3回「自分で対処できる力 習得」では場面緘黙が登場しています。

○引用URL(2014年6月19日現在)

東大先端研ニュース(RCAST News) 2014年第2号通巻87号
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/rcast/newsletter/pdf/news87.pdf

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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