歯ぎしりのリスクが高い社交恐怖症(社交不安障害) | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、アブストラクト(論文要旨)を読んだ、社交不安(障害)に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが最新の研究成果です。

なぜ、社交不安(障害)なのかというと、場面緘黙児(選択性緘黙児)は社交不安(社会不安)が高いか、もしくは社交不安障害(社会不安障害,社交不安症)を合併していることが多いという知見があるからです。また、米国精神医学会が発行するDSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き第5版)では場面緘黙症が不安障害(不安症)になりました。

今回は社交恐怖症(社交不安障害)患者は歯軋り(歯ぎしり)をしたり、口を無意味に動かすことが多いという研究です。

なお、社交不安(障害)以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

最近の記事⇒知的障害児・自閉症スペクトラム障害児の母親は死亡リスクが高い
↑西オーストリアの調査によれば、知的障害児・自閉症スペクトラム障害児の母親はそうでない母親よりも死亡リスクが2倍高く、知的障害児の母親は癌で死ぬ可能性が40%、心血管疾患で死ぬ可能性が150%、殺人・自殺・事故で死亡する可能性が200%高いのだそうです。また、自閉症スペクトラム障害児の母親は癌による死亡リスクが50%高いとの結果も得られています。

Hermesh, H., Schapir, L., Marom, S., Skopski, R., Barnea, E., Weizman, A., & Winocur, E. (2015). Bruxism and oral parafunctional hyperactivity in social phobia outpatients. Journal of Oral Rehabilitation, 42(2), 90–97. DOI:10.1111/joor.12235.

イスラエル、ペタク・チクヴァのゲハ精神衛生センター(Geha Mental Health Center)、テルアビブ大学サックラー医学部(Sackler Faculty of Medicine)&サックラー医学部ラビン医学センターフェルゼンシュタイン医学研究センター、テルアビブ大学モーリス・ガブリエラ歯科医学校(Maurice and Gabriela Goldschleger School of Dental Medicine)口腔リハビリテーション学部の研究者達による論文です。

○方法

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を服用していない社交恐怖症患者20人、SSRI服用中の社交恐怖症患者17人、健常者33人が研究に参加。SSRI服用の有無による患者群の人口学的・臨床的差異はなし。

社交恐怖症状はリーボビッツ社交不安尺度(Liebowitz Social Anxiety Scale:LSAS)で、うつ症状はベックうつ病尺度(Beck Depression Inventory:BDI)、口腔的非機能活動はTM歯科検査と質問紙で調査。

口腔的非機能活動とは通常の身体の使用方法とは異なることをするお口の習癖のことです。ここでは口を無意味に動かす悪習癖といった感じの意味になると思います。

○結果

健常者群と比較して社交恐怖症群は覚醒時ブラキシズムや顎の非機能的動き(顎遊び:JAW PLAY)をする人が多くなりました。また、口腔的非機能活動が1つ以上ある人も患者群で多くなりました。さらに、社交恐怖症が重篤であれば口腔的非機能活動が存在する可能性が高まりました。

*覚醒時ブラキシズムとは咀嚼や会話など機能的な意味がない場面に生じる歯軋りの内、目覚めている時に起こる歯軋りのことです。対して、睡眠時ブラキシズムとは眠っている時に起こる非機能的歯軋りのことです。歯軋りは英語でbruxismと言います。なので、歯軋りのことをブラキシズムというのは英語からきています。

うつ症状ではなく、社交恐怖症状が口腔的非機能活動と覚醒時ブラキシズムのリスクでした。一方、社交恐怖症の慢性的なSSRI治療は覚醒時ブラキシズムや睡眠時ブラキシズムに影響しませんでした。

○コメント

実は私は歯ぎしりではなく顎関節症気味で、口を大きく開けるとポキッっていう音が聞こえるのですが、これは高校生の時の勉強スタイルが原因だと勝手に思っています。特に大学受験の時は顎に力を入れる勉強スタイルをとっていたため、顎関節症の傾向が生じてきたのでしょう(いったい、どんな勉強スタイルやねん!というツッコミが飛んできそう…)。最近はないのですが、以前は口を大きく開けると少し痛かったので、顎関節症に注意しないといけません。

ちなみに、名探偵コナンの灰原哀が風邪のことを急性上気道炎というように、歯軋りも日本語で難しい言い方をすれば、非機能性咬合習癖とか咬合神経症とかいうそうです。

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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