ハートネットTVで場面緘黙症(Twitterデータセット付き) | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

NHKの福祉ポータル「ハートネットTV」において2015年5月28日(木)夜8時から生放送で場面緘黙症が特集されました。これはWEB連動企画“チエノバ”というものの一環です。主な司会進行役は山田賢治アナウンサーですが、フリーアナウンサーの久保純子さんと評論家でニュースサイト「シノドス」の編集長の荻上チキさんもコメンテーターとして主演されています。再放送は6月4日(木)午後1時5分から始まります。

私はこの番組を生で見ましたが、あやふやな記憶に基づいて記事を執筆するのは信条に反しますし、これに関連した「ある作業」に忙しかったので、記事にすることは控えていました(「ある作業」の詳細は本記事の後半で明らかにされます)。しかし、インターネット上でハートネットTVの動画が公開されていたので、それに基づき内容を振り返ってみたいと思います。なお、このハートネットTVの動画に関しては著作権法違反の可能性があり、あまり大っぴらにするのはためらわれる類のものです。

○背景

3年前からハートネットに場面緘黙症を取り上げてほしいという要望が寄せられていました。そこで、番組ディレクターが場面緘黙症に関する投稿を募集したところ、カキコミが寄せられました。(場面)緘黙症に関するカキコミは現時点(2015年5月30日早朝)で202件です。この数字が少ないのか多いのかどうか緘黙トピックだけを見ると判断できないのですが、他のカキコミテーマの投稿数と比べると(場面)緘黙症のカキコミ数は比較的(というか、かなり)多いことが分かります。

ハートネットTVHPにある(場面)緘黙症の投稿⇒【5月】“話したいのに、声に出せない”場面緘黙(かんもく)の悩み、ありますか?(http://www2.nhk.or.jp/heart-net/voice/bbs/messagelist.html?topic=3077)

*NHKのリンク方針はNHKオンライントップページにだけリンクを許可するというものです。ですから直接リンクは貼りませんでしたが、カキコミ板URLを記載しました。

1.導入(スタジオ):右上のサイドテロップは「話したくても話せない"場面かんもく"」

山田アナウンサーが場面緘黙症の簡単な解説。カキコミ板への投稿内容を軽く紹介。

2.事例紹介(取材VTR):右上テロップは「話したくても話せない場面かんもくの苦しみ」

カキコミを寄せた親子の取材VTR(途中にイラストレーターのウエタケヨーコさんのイラストが挿入)。ぽぽんたさんと小学4年生の長女あかりさんの事例を紹介。

3.場面緘黙?経験者の桂あやめさん登場(VTR映像からスタジオに戻る):右上テロップは「話したくても話せない"場面かんもく"」

久保アナウンサーや荻上編集長、山田アナウンサーのコメント。落語家の桂あやめ(本名入谷ゆか)さんのゲスト紹介。桂あやめさんは幼稚園から小学3年生まで場面かんもくの疑い。桂さんは最近まで場面緘黙症を知らなかったという(ただし、厳密には「今日まで」という発言)。桂さんが緘黙エピソードを披露。

4.場面緘黙症のより詳しい解説:右上テロップ変わらず

パネルでの場面緘黙症の発症メカニズムに関する解説。かんもくネット代表で臨床心理士の角田圭子さんとの電話。「角田さんの詳しいインタビュー記事 番組HPで掲載中」という宣伝が2回画面に表示される。

角田さんへのインタビュー記事⇒わざと話さないわけじゃない。専門家に聞く、場面緘黙(かんもく)について知っておきたいこと(http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/1800/217342.html)

5.再びカキコミ内容の紹介&「言われて嫌だったことば」:場面緘黙症の後遺症の問題で右上テロップが「"場面かんもく"大人になっても…」に変化

冒頭で軽く触れた場面緘黙症に関する投稿をより詳しく紹介。「言われて嫌だったことば」の紹介。ゲストの桂あやめさんのお話が合間に挿入される。「場面かんもくの当事者・家族の体験談を多数掲載中 番組HP カキコミ板へ」や「場面かんもくの詳しい情報は 番組ホーㇺページへ」という宣伝が流れ始める。大人になってからの問題として「場面緘黙症の後遺症」という投稿内容も披露。荻上さんは二次障害を懸念。Twitterのツイートも具体的に取り上げ始める。

NHK福祉ポータルハートネットTVブログの参考ページ⇒「こころの支えになったこと」「言われて嫌だったことば」~場面緘黙(かんもく)、当事者・家族の"声"から~(http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/1800/217675.html)

6.場面緘黙者のサポートについて:右上テロップは「"場面かんもく"私たちにできること」

カキコミ板から嬉しかった対応やこうしてほしいという要望に関する投稿を紹介。桂あやめさんのお話が合間に挿入される。専門家の角田圭子さんとの電話で、対応法や相談先についてのお話。「角田さんの詳しいインタビュー記事 番組HPで掲載中」というテロップが表示される。「『場面かんもく』お悩み・ご意見募集 皆さんの「声」をカキコミ板へ」という宣伝も表示される。山田アナウンサーの「この場面緘黙、これからもとりあげていきたいと思っています」という発言で一旦終了。次の話題はパラリンピックということで「Road to Rio」パラリントライアスロンに関する放送。

7.(場面)緘黙症のツイート紹介:右上テロップは「"場面かんもく"皆さんの声を」

途中でパラリンピックの放送が挿入されますが、それ以降も(場面)緘黙症のツイートを通した会話があるので、ご興味のある方は見逃さないようにしてください。

○コメント

以前、日本テレビのザ!世界仰天ニュースでも場面緘黙経験者であるカースティ・ヘィズルウッドさんという方の体験談が放送されたことがあります。この時はカースティさんおひとりの経験談が主でした。しかし、今回は多くの当事者の意見がテレビ放送されている点で他とは一線を画します。また、ここまで場面緘黙の経験談が具体的に放送された番組は珍しいことだろうと思います。

*カースティさんに関しては「ミスイングランドでも場面緘黙症から逃れられない」や「英国の緘黙団体、SMIRAの拠点がある地方の新聞にカースティ」、「元緘黙のカースティさん、英国の公共テレビに出演」、「カースティ・ヘィズルウッドさんのデート記事に場面緘黙症」を参照のこと。

落語家の桂あやめさんは元緘黙児とは思えないほど流暢に話されています。すごいことですね。また、桂さんの体験談は生放送でお話されているだけあってか非常に迫力満点です。久保アナウンサーが喋れるようになったきっかけを質問されたところ、桂さんは自分が喋れないということを知らないであろう転校生と会話ができたことを契機に皆とお話できるようになったとのことでした。

私はというと小学4年生の時に転校して初めは喋っていたのですが、後に喋らなくなりました。そして、後に転校生(男の子)が来ると、彼にだけは自分から話しかけました。これは桂さんが転校生の側から話しかけてきたという体験談とは逆です。なぜ私が自分から話しかけたのかといえば、転校生も自分と同じような緘黙状態になるかどうか心配だったので話しかけたということを覚えています。お節介で喋れるようになったというわけです。その転校生と遊ぶために自宅に誘うようなこともしましたが、今までそんな体験がなかったので、ぶっきらぼうな誘い方で、どのように遊べばいいかが分かりませんでした。ところが、それも一時的で、また喋らなくなりました。私の声が「蚊の鳴くような声」と評価されているのを聞いたという、ちょっとしたトラウマ体験が一番の原因(の1つ)だと思っていますが、それが転校生が来る前なのか来た後なのか記憶があやふやではっきりしません。

なお、その他の私の緘黙体験談は「緘黙人生」、「私の緘黙」などの記事に書いています。

とにかく、全体として非常に良い番組でした。しかし、大人の場面緘黙症(の後遺症)に関しては踏み込み不足が否めません。たしかに大学中退やアルバイトでの苦しみ、就職できるか?採用されても早期退職するのではないか?という投稿内容が場面緘黙症の大人の問題として放映されています。また、右上のサイドテロップが途中から「"場面かんもく"大人になっても…」に変化し、NHKにこの問題を真剣に話題にしたいという意欲があることが感じ取れます。しかし、全体として子供の場面緘黙症の問題がテーマとなっており、これだけでは成人の(元)場面緘黙当事者の抱える生きづらさが伝わってきません。個人的には子供の場面緘黙症とは別に、大人の問題を取り上げた番組を制作してほしいです。

○ツイートまとめ

さて、記事の導入部分で言及した「ある作業」とは、Togetterまとめを使用して番組関連のツイートをまとめることでした。この番組はTwitterと連携していました。具体的に書くと、テレビ画面下にハッシュタグの#nhk_heartを付けたツイートが表示される仕掛けになっていました。ただし、私が確認した限りではハッシュタグをつけていなくても、表示されたツイートが1件あり、それはNHKハートネット(@nhk_heart)のツイートを引用しているものでした(具体的な引用方法については技術的な説明が必要になるので、控えます)。

Togetterまとめ⇒2015年5月28日(木)にNHKハートネットTVで放送された緘黙症についてのツイートまとめ(URLはhttp://togetter.com/li/827810)

ツイートデータの取得方法は#nhk_heartというハッシュタグを付けたツイートの検索によります。したがって、ハッシュタグをつけていないツイートは含めていません。青文字はテレビ画面に表示されたツイートです。

なお、実際にハッシュタグ(#nhk_heart)で検索しても、テレビで登場するツイートが含まれていないことがしばしばありました。できるだけ検索して突き止めるようにしたのですが、どうしても見つからない場合は含めていません。ツイートを削除したユーザーの方や非公開設定の方もいらっしゃいましたし、アカウントそのものがなかったユーザーもおられました。アカウントが発見できない場合はユーザー名を変更したか、ユーザー登録そのものを抹消した可能性が考えられます(ツイートも検索しましたが発見できませんでした)。これらと同じ理由で全ての#nhk_heartツイートを掌握することは不可能なので抜け漏れがあると思います。それは仕方ないとあきらめるほかありません。

*基本的にアカウントを非公開設定にしていない場合は、出所さえ明示すれば自由にツイートを使っていいという雰囲気があるような感じなので、勝手にツイートをまとめました。しかし、入れないでほしいという方がいらっしゃれば、本ブログのコメントなどでご連絡下さい。

このツイートまとめをどのように活用するかというと、たとえば「初めて(知った)」という単語を検索して何個あるか数えたり、当事者や保護者、それ以外の人がそれぞれ何人参加したかツイート内容をもとに読み解いていくという方法が考えられます。これらを根気よくやれば何らかの統計データが得られるはずです。あるいはテレビ画面に映らなかったツイートと映ったツイートを比較検討することで、NHKのテレビ放送でツイートが表示される(あるいは表示されないようにする)にはどうしたら良いかが、分かるかもしれません。もちろん統計目的でなくても一向にかまいません。

実際に私が「初めて」という単語でショートカットキー、Ctrl+Fを用いて検索したところ、19件のツイートがヒットしました(初めて場面緘黙症を知ったという意味合いのものに限定した場合)。アカウントの重複が1件あったので、今回の放送で場面緘黙症を知った方が少なくとも18人はいるということになります(性善説が前提条件)。ハッシュタグツイートをしていない人やTwitter利用者でない人は含まれておらず、実際にはもっと多くの方が番組を視聴したことだろうと思いますが、定量化できるというのがポイントになります。

○参考URL(2015年5月30日現在)
本記事執筆時点で以下のウェブページよりハートネットTVの場面緘黙症特集の動画が視聴できます。ロシアの動画共有サイトMyvi.ruです。しかし、著作権法に抵触している可能性があり、注意が必要です。
http://www.myvi.ru/watch/28200027052_FzQfiAF400GBnmxOf7NHVg2

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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