敏感すぎる人はポジティブ画像に対する反応が高い | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

今回はHighly Sensitive Person(敏感すぎる人・繊細すぎる人)に関する研究をとりあげます。アブストラクト(抄録)しか読んでいませんが…。

なぜ、Highly Sensitive Personなのかというと、場面緘黙症(選択性緘黙症)のブログや掲示板、ホームページを読んでいると、たまにHighly Sensitive Personに関する話がでてくるからです。

今回はHighly Sensitive Personは情動画像の情動価を高く評定し、それはポジティブ画像で顕著という研究です。また、Highly Sensitive Personは高い質の養育を受けていると、ポジティブ画像に対する覚醒度が高くなるようです。

なお、Highly Sensitive Person以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。

最近の記事⇒嗅覚感受性が高い人ほどソーシャルネットワークが広い

Jagiellowicz, J., Aron, A., & Aron, E. N. (2016). Relationship between the temperament trait of sensory processing sensitivity and emotional reactivity. Social Behavior & Personality: An International Journal, 44(2), 185-199. doi: 10.2224/sbp.2016.44.2.185.

ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校(ストーニーブルック大学)の研究者3名による論文です。アーサー・アーロン教授とエレイン・N・アーロン助教(research associate)のご夫婦も名を連ねています。アーロン夫妻はHighly Sensitive Personに関する研究の第一人者ですね。アーロンさんの著書の翻訳書にSBクリエイティブ株式会社から出版された『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫)(冨田香里訳)』や1万年堂出版から刊行された『ひといちばい敏感な子(明橋大二訳)』があります。



○研究目的

本研究の目的は感覚処理感受性および養育の質との交互作用が、情動刺激に対するポジティブ/ネガティブ反応を予測するかを調べることとしました。

なお、敏感すぎる人とは「感覚処理感受性が高い人」のことです。詳しくは「Highly Sensitive Personは感覚遮断で変性意識状態になりやすい」をご覧ください(リンク先で敏感すぎる人に関する基礎知識をおさらいすることができるようにしてあります)。

○研究方法

研究協力者は96人。彼らを感覚処理感受性が高い群と低い群とに分けました。感覚処理感受性の高低の判断はハイリー・センシティブ・パーソン尺度(Highly Sensitive Person Scale,HSPS)得点によりました。

研究参加者は国際感情画像システム(International Affective Picture System,IAPS)からとってきた中性画像・情動画像を見ている時の情動価(valence)と覚醒度(arousal)を評定。

○研究結果

その結果、感覚処理感受性が低い群と比較して、感覚処理感受性が高い群は情動画像の情動価を高く評価し、特にポジティブ画像で顕著でした。また、ポジティブ画像に対する反応が早い傾向にあったのも高感覚処理感受性群でした。

また、感覚処理感受性が低い群と比較して、感覚処理感受性が高い群は高い質の養育を受けていると、ポジティブ画像に対する覚醒度が高くなりました。

○コメント

論文抄録しか読んでいないので、コメントと言っても難しいので、話をそらして日本の感覚処理感受性研究について取り上げておきましょう。

2016年、中京大学大学院心理学研究科の髙橋(高橋)亜希(旧名船橋亜希)さんが日本語版ハイリー・センシティブ・パーソン尺度(HSPS-J19)を作成したという論文を発表されました(髙橋, 2016)。これは2011年に京都光華女子大学で開催された日本パーソナリティ心理学会第20回大会で発表した研究が元のようです。論文は2016年6月5日現在、オープンアクセスで読めます(URLは引用文献参照のこと)。

*J19はJapanese version of the 19-item(19項目日本語版)の省略形です。

髙橋(2016)によれば、HSPS-J19は3因子構造です。その3因子とは低感覚閾(Low Sensory Threshold)、易興奮性(Ease of Excitation)、美的感受性(Aesthetic Sensitivity)のことです。低感覚閾は「大きな音や雑然とした光景のような強い刺激がわずらわしいですか?」等の質問で、易興奮性は「短時間にしなければならないことが多いとオロオロしますか?」等の質問で、美的感受性は「微細で繊細な香り・味・音・芸術作品などを好みますか?」等の質問で評定されます。

○引用文献:全文は読んでいません。必要なところだけつまみ読みしました。
髙橋亜希(2016). Highly Sensitive Person Scale日本版(HSPS-J19)の作成 感情心理学研究, 23, 68-77. doi: 10.4092/jsre.23.2_68. (英語版はTakahashi, A. (2016). Development of Japanese version of the 19-item Highly Sensitive Person Scale (HSPS-J19). Japanese Journal of Research on Emotions, 23, 68-77. doi: 10.4092/jsre.23.2_68.)
PDFファイルのURL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsre/23/2/23_68/_pdf

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
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マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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