Facebookによる不安・ストレスが強いと風邪をひきやすい | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

興味深い研究成果をすべてネタにできればいいのですが、生憎そうもいきません。そこで、論文アブストラクト(抄録)だけ読んだ不安(障害)・恐怖に関する興味深い論文を取り上げます。ほとんどが最新の研究成果です。

なぜ不安(障害)・恐怖なのかというと、場面緘黙(選択性緘黙)児は不安が高いか、もしくは不安障害(不安症)を併存していることが多いという知見があるからです。さらに、米国精神医学会(APA)が発行するDSM-5では場面緘黙症が不安障害になりました。

今回はFacebookによる不安・ストレスが強いと風邪をひきやすいというお話です。

なお、不安(障害)・恐怖以外の興味深い(面白い)研究については『心と脳の探求-心理学、神経科学の面白い研究』をご覧ください。今回は少し多めに記事をご紹介します。

最近の記事1⇒季節性感情障害者に菜食主義者が多く、菜食主義者に季節性感情障害者が多い
最近の記事2⇒悪魔を信じる者はメンタルヘルスが悪化しやすい
最近の記事3⇒オンラインでのマインドフルネス訓練はマインドワンダリングを低下させる
最近の記事4⇒質問すると会話相手から好かれやすくなる

Campisi, J., May, J., Burch, K., Larson, K., Doscher, J., Doherty, S., Isaacson, K., Sebring, K., & Gahan, A. (2017). Anxiety-inducing Facebook behavior is associated with higher rates of upper respiratory infection in college-aged users. Computers in Human Behavior, 76, 211-217. doi:10.1016/j.chb.2017.07.022.

アメリカのレジス大学生物学研究室による論文です。

〇序論と目的

慢性的ストレスは免疫機能を抑制し、感染症への脆弱性を高めます。近年の研究では、Facebookなどのソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service,SNS)の使用が慢性的ストレスとなる人がいて、健康の低さにつながっていることが指摘されています。しかし、そのメカニズムは明らかでありません。

そこで、本研究ではFacebook使用、ストレス、健康の相互作用を説明するのに、Facebookユーザーの行動が関わっているかどうかを検討することを目的としました。

〇方法

前向き研究(prospective study)。前向き研究とは、リスク要因・予防要因の候補と将来のアウトカム(病気など)との関係を調べる追跡研究のことです。

健康な大学生がオンラインでの質問紙調査に回答。質問紙で評価したのは、Facebook使用と健康。その後、上気道感染症の罹患を10週間にわたって追跡調査。

〇結果

Facebookで不安やストレスを感じている人は、そうでない人よりも上気道感染症の罹患が多くなりました。Facebookの友達が多いほど、不安やストレスが高く、上気道感染症にかかることが多くなりました。

Facebook使用についての不安が高い人は、1日に何回もFacebookにログインしていました。Facebookへのログインが多い人は健康が悪くなりやすくなりました。

身体活動レベルや睡眠、ソーシャルサポートでは、これらの関係を説明できませんでした。

〇コメント

上気道感染症とは、かぜ症候群(要するに風邪)のことです。したがって、少なくとも本研究では、Facebookで不安やストレスを感じている人は風邪を引きやすいということになります。特にFacebook友達が多い人やFacebookに何回もログインする人は要注意です。

Facebookの友達が多いほど、上気道感染症にかかりやすいというのは、他の研究でも見いだされています(Campisi et al., 2012)。また、Campisi et al.(2012)によると、Facebookストレスが高いと上気道感染症を発症しやすいのは、Facebook友達が多い人で顕著だとのことです。

〇不安と身体的健康の関係についての他の研究
喘息は不安障害のリスク、不安障害は喘息のリスク

〇引用文献(アブストラクトだけ読みました)
Campisi, J., Bynog, P., McGehee, H., Oakland, J. C., Quirk, S., Taga, C., & Taylor, M. (2012). Facebook, stress, and incidence of upper respiratory infection in undergraduate college students. Cyberpsychology, Behavior, & Social Networking, 15(12), 675-681. doi: 10.1089/cyber.2012.0156.

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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