不安回路と恐怖回路(4)-ストレス反応 | 緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー
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問題を起こさない緘黙児は放置されるか?」という記事に追記をしました。3歳で「かん黙」があった園児5名の内60%が5歳までに「かん黙」を克服したという研究です。日本の調査になります。

不安や恐怖を担う神経回路に関する総説論文を読んでいました。引用文献が180件もあり、内容が濃いので5回に分けます。前回はこちら

Charney, D. S.(2003). Neuroanatomical circuits modulating fear and anxiety behaviors. Acta Psychiatrica Scandinavica Supplementum, 108(417), 38-50.

○まとめ

高校の頃に生物を学んだ方ならば、視床下部から分泌される副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンという長ったらしいホルモン名をご記憶のことかと思います。副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンが下垂体前葉に達すると、今度は副腎皮質刺激ホルモンが放出されます。そして、副腎皮質刺激ホルモンの働きで、副腎で副腎皮質ホルモンの分泌が促進されます。副腎皮質ホルモンには糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドがあります。糖質コルチコイドにはコルチゾール、コルチコステロン、コルチゾンがあります。鉱質コルチコイドは省略します。

・急性ストレスに曝されると副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンや副腎皮質ホルモン、コルチゾールの分泌が促進される。これがコルチゾールがストレスホルモンといわれる所以。
・一方、慢性ストレスの場合、コルチコステロンの血中濃度が低下して適応できる場合と同ホルモンの分泌が促進され、ストレス反応が強まる場合とがある

・胎児期や誕生初期の経験がストレス反応に与える影響が強い。たとえば、これらの時期に強いストレス(母親剥奪など)を経験すると、コルチコステロンをはじめとするストレス系の興奮閾値が低くなる。

・一方、同時期に母親から手厚い子育てをされた場合、ストレス耐性ができる

・視床下部の室傍核や下垂体前葉に分泌された糖質コルチコイドは負のフィードバックでストレスホルモンの分泌を制御する

・一方、扁桃体中心核や分界条床核においては、負のフィードバックが働かない。なお、分界条床核は扁桃体中心核から入力を受けている。⇒これらの脳領域が不安・恐怖に関与?

・副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンには2つの受容体がある。1型の刺激は不安を惹起する。対して、2型の刺激は抗不安作用をもたらす。信頼ホルモン、愛情ホルモンともいわれるオキシトシンを合成する室傍核・視索上核に2型が多いのは興味深い。

※注:1型受容体の作用を妨げる抗うつ薬・抗不安薬の開発が進展しています。

続き⇒不安回路と恐怖回路(5)-PTSD、パニック障害と神経内分泌系

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場面緘(かん)黙症とは?
ある特定の場面(例.学校)でしゃべれなくなってしまう症状を場面緘黙症といいます。言語能力や知能には問題がないにもかかわらず、話せないのです。一般的に場面緘黙症の人は自らの意思で口を閉ざしているのではなく、不安や恐怖のために話せないとされます。中にはあらゆる場面で話せない全緘黙症になる事例もあります。
プロフィール

マーキュリー2世

Author:マーキュリー2世
性別:男
緘黙経験者で、バリバリの現役緘黙だったのは小学4年?大学1年。ただし、小学4年以前はほとんど記憶喪失気味なのでそれ以前も緘黙だった可能性あり。現在も場合によっては緘黙/緘動が発動します。種々の研究に言及していますが、私は専門家ではありません。ひきこもり/自称SNEP(孤立無業者)です。

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